Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本年度では,前年度のシステムを操作する側面のモデル化・検証支援に引き続き,業務ロジックのモデル化と検証支援手法を研究した.具体的に,データの基本操作単位であるCRUD(Create,Read,Update,Delete)の観点から,業務ロジックの妥当性を検証する方法を提案した.本年度の研究の意義は,開発の初期段階において,不完全な要求分析モデルの欠陥を,汎用性の高いCRUDの観点から早期に発見する点である.その観点とは,例えば,データが作成または読み込まれていないにも係わらず更新されるフローといった,実現不可能なデータフローに着目した. IV.具体データとルール,または具体フローとルールの組み合わせ時の検証方法を検討し,検証ツールを改良する.実現不可能なデータフローを検出するために,アクションとオブジェクトノードのCRUDの観点から関連させる記法をルールとして提案した.検証には,モデル検査ツールであるUPPAALを用いており,要求分析モデルをUPPAALモデルに変換できるようにツールを改良した. V.開発事例を用意して,システム開発実験を行う. 大学における教科書販売システムを題材とした開発事例を用意して,提案したCRUDの記法を適用した要求分析モデルを作成した.変換したUPPAALモデルを基に,実現不可能なデータフローを判定する検査式により検証を行ったところ,主に「作成されないデータが,読み込まれる想定である」誤りを発見できた.ユーザが操作を実行できるパスが無数に存在する中で,データが存在しない場合に本来想定されるべき例外フローの定義が漏れていたことによる.本事例は大学院の授業課題として学生に与えたものであり,記述者本人からは十分に洗練したとの意見があったが,本手法の適用によりこのような問題を発見できたことは本手法の有効性を示すものである. 本研究の一環として提案したCRUDの記法は日本ソフトウェア科学会第28回大会にて発表し,要求分析モデルからUPPAALへの変換方法は情報処理学会第47回全国大会にて発表した.
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