膵臓酵素に見出した糖特異的結合性の分泌および消化吸収における意義
Project/Area Number |
10J10385
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
伊達 公恵 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 膵臓酵素 / α-アミラーゼ / エンドサイトーシス / ジペプチジル・ペプチダーゼ4 / アミノペプチダーゼN / 糖タンパク質 / 糖鎖 / スクラーゼ・イソマルターゼ / SGLT1 / DPP4 |
Research Abstract |
【研究の目的】 膵α-アミラーゼ(PPA)の糖タンパク質糖鎖結合性が、腸内消化吸収に果たす役割を明らかにすることである。 【研究の具体的内容】 前年度(1年度目)は、「PPAの糖鎖認識による腸管糖質吸収の抑制現象」を発見し、それが食物消化により生じるグルコースの腸管吸収過程において血糖値急上昇を抑制する最も効果的な制御機構であるという仮説を提唱した(J Biol Chem,287,23104(2012)に公表)。 本年度(2年度目)は、1年目に見出した「PPAの腸管から毛細血管への移行」について、ブタ小腸とヒト腸上皮細胞Caco-2を用いて次の解析を行い、分子機構の解明を試みた。 (1)まず、ブタ小腸を用いた解析を行った。膵液が小腸に分泌されるモデルとして、ブタ十二指腸をPPA溶液中で処理し、共焦点レーザー顕微鏡でPPAの局在を観察したところ、PPAはその糖鎖認識によって経時的に取り込まれた。また、その局在は、PPAのリガンドとして同定されたジペプチジル・ペプチダーゼ4とアミノペプチダーゼNと共局在した。さらに、小腸内の刷子縁膜側と基底膜側のPPAの存在量と酵素活性を測定すると、組織内に取り込まれたPPAは分解されることを明らかにした。 (2)次に、Caco-2を用いた解析を行った。PPAをAlexaFluor488で標識し、Caco-2と処理すると、PPAは経時的に取り込まれ、リソソーム経路の途中にある初期エンドソーム抗原1と共局在することを明らかにした。 本結果等から、PPAは、その糖鎖認識によって腸管から毛細血管への移行し、途中分解経路にたどることを明らかにした。 【意義・重要性】 本研究成果は、小腸刷子縁に結合したα-アミラーゼを可及的に除去する機構の発見であり、PPAによる糖吸収抑制を解除する主要な分子機構であることを提示するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Functional Regulation of Sugar Assimilation by N-Glycan-specific Interaction of Pancreatic α-Amylase with Glycoproteins of Duodenal Brush Border Membrane.2012
Author(s)
Asanuma-Date K, Hirano Y, LeNa, Sano K, Kawasaki N, Hashii N, Hiruta Y, Nakayama K, Umemura M, Ishikawa K, Sakagami H, Ogawa H.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 287
Issue: 27
Pages: 23104-18
DOI
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Peer Reviewed
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