ω-ヒドロキシアリルアルコール類の直接的脱水型不斉環化反応
Project/Area Number |
10J55262
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 知昭 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 触媒的不斉アリル化 / ドナーアクセプター二官能性触媒 / 環状エーテル / 機構解明 / 有用物質合成 / ルテニウム / 遷移金属錯体 / 光学活性配位子 / アリル化 / 触媒 |
Research Abstract |
光学活性環状エーテルは、天然物に多く見いだされる骨格である。エーテル合成法は古くから知られているものの、化学量論量の反応剤を必要とする、反応条件が温和でないなど非効率である。ジオールを活性化することなく脱水的に、求電子部や求核部の構造適用範囲も広く、高い収率かつエナンチオ選択性で環状エーテルへと変換できれば、理想的な合成手段となろう。本研究では、これらを満足する新しい触媒的不斉合成法の開発を目指した。 これまでに当研究グループでは、微量のカチオン性CpRu-2-キノリンカルボン酸混合触媒を用いるω-ヒドロキシアリルアルコールの環状アリルエーテルへの脱水的変換反応を起点に不斉反応化に挑み、新規光学活性配位子Cl-Naph-Py-COOHを見いだした。本触媒系の有用物質合成への応用、本触媒系の機構解明研究に着手した。 有用物質合成において対象となる化合物候補は限りないが、まず、ビタミンEの効率的合成に着手した。本手法の応用によって重要合成中間体であるクロマノール誘導体をエナンチオマー比97:3で得ることができた。今後の展開が期待される。テトラヒドロフラン骨格が二つ連結したアセトゲニン類にも着目し、メソ型テトラオールを基質とした非対称化に展開した。四つの不斉点を一反応によって制御できる本触媒的非対称化法により、キラル合成鍵中間体の供給が可能となった。 後者においては、基質構造/活性相関、配位子構造/活性相関、[CpRu(II)QAH]PF6(QAH:キナルジン酸)触媒を用いるアリル化反応で得られたいくつかの予備的実験から、本反応は「レドックス介在型ドナー・アクセプター二官能性触媒(RDACat)」の機構が働いていると推測している。核磁気共鳴分光実験、X線結晶構造解析、構造/活性/選択性相関、DFT計算、速度論実験等をおこない、反応中間体の構造とそれらのエネルギー関係を推定した。RDACat機構が働いて、反応は「内部方向への脱水」と「NuHの内部攻撃」の経路で進行する考えに矛盾はない。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)