細胞増殖因子を固定化した次世代型温度応答性培養皿の開発
Project/Area Number |
10J57081
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有坂 慶紀 東京女子医科大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1) (70590115)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ヘパリン / 温度応答性培養皿 / 細胞増殖因子 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) |
Research Abstract |
本研究では、迅速な細胞シートの作製を達成するために、細胞増殖および脱着を可能とする新規温度応答性細胞培養基材の表面設計をおこなった。そこで、ヘパリンが塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と複合体を形成することによってbFGF活性が維持されることを利用して、bFGFをアフィニティー結合により表面導入するためのヘパリン固定化温度応答性表面を開発した。この表面を用いて、ヘパリンの表面固定化量とbFGFの結合量が細胞シート培養時間に与える影響を明らかにした。さらに、固定化ヘパリンとbFGFの表面組成を最適化することにより、細胞シート作製の加速化と、培養温度を低下させたときの細胞シート脱着を同時に達成した。またヘパリンは、bFGFの他に血管内皮細胞成長因子(VEGF)やヘパリン結合性上皮細胞成長因子(HB・EGF)など様々な成長因子と複合体を形成することが知られている。そこで、細胞種や目的に応じて温度応答性培養皿表面に導入する成長因子を選択するテーラーメイド設計が可能であると考えた。本年度、高機能な肝細胞シート作製を目的とした表面設計を行った。肝細胞の初代培養においてその機能を維持するために上皮細胞成長因子(EGF)を培地に添加するが、本実験ではこれと同じ受容体と結合するHB-EGFをヘパリン固定化温度応答性培養皿表面にアフィニティー導入した。表面導入したHB・EGF量について放射性同位体元素【1251】を用いて定量した。100ng/cm^2以下のHB-EGF添加量に対して、その75%以上が表面に導入できた。ヘパリン固定化温度応答性培養皿にHB・EGFを表面導入することで肝細胞シートが作製できることを確認した。さらに、HB・EGFを添加した場合と比べて表面導入したヘパリン固定化温度応答性培養皿を用いて作製した肝細胞シートは、表面導入したHB・EGF量が添加量の1/3で2倍のアルブミンを産生していることが明らかになった。以上の結果は、HB・EGFをヘパリンを介してアフィニティー結合させた温度応答性培養皿によって、より高い機能を有した肝細胞シートが作製できることを示しており、このような高機能な細胞シートを用いることにより、スクリーニングの精度向上やin vitroにおける培養時間の延長、肝細胞シートによる治療効果の向上が期待できる.
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)