Project/Area Number |
11111205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
仲 真紀子 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00172255)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 対話 / 大人他者 / 児童(小学2年,5年) / 面接 / 質問 / 出来事の記憶 |
Research Abstract |
仲は、母子対話における助数詞の使用を検討し、大人が子供の発話を拡張し、語彙(助数詞)の習得を促していることを示した(1992〜1998年度)。こういった、大人によって提供される言語的環境は、語彙獲得だけでなく、子どもの様々な認知活動に影響を及ぼすと予想される。本年度は、助数詞からは離れ、大人他者によって提供される言語的環境(質問)が、子どもの「見たことを語る」という認知活動に及ぼす影響を調べた。 被験者:小学校2年生112人と5年生142人。 手続き:手続きは以下の通りである。 1.5分程度のビデオを視聴させる。 2.ビデオ視聴後、以下の3条件のいずれかで内容を想起してもらう。 (a)自由再生群:「内容を思い出してください」とだけ教示し自由再生を促す。 (b)イメージ喚起群:思い出す前に内容を1分間イメージさせ、繰り返し思い出すよう促す。 (c)誘導質問群:登場人物の少女は赤い服を着ていたが「少女は白い服を着ていたかな?」など、15項目について誘導情報を含む質問を行う。 3.すべての条件の児童に対し、20の質問項目(うち15項目は虚項目)について「見たか否か」で答えるよう求める。 結果と考察:2.の想起が、3.の20項目への回答にどのような影響を及ぼすかを検討したところ、2年生のイメージ条件、質問条件において、実際にはなかった項目を「見た」とする反応が有意に多かった。クローズドクエスチョンや誘導質問等の不適切な質問だけでなく、「イメージして」、「繰り返しよく思い出して」といった教示を与えるだけでも、低学年の児童は虚項目を「見た」と判断しやすくなる。出来事を想起するという認知活動にも、言語的環境の影響があることが示唆される。
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