Project/Area Number |
11111215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 神戸大学, 発達科学部, 教授 (60031720)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 語彙獲得 / 名詞優位 / 動詞優位 / 自然分割仮説 |
Research Abstract |
初期の語彙獲得が「名詞優位か動詞優位か」は個人差よりも、子どもの言語発達段階、サンプリングの方法、名詞、動詞のカウント方法に大きく関係していた。本年度は、「名詞優位、動詞優位」に及ぼす要因について、12, 15, 18, 21, 24ヶ月50名の中で語彙11語以上を19分間の観察場面で発した31名の母子の語彙と親の報告(CDIs)から検討した。場面要因(玩具場面、絵本場面)、子どもの言語段階、名詞、動詞のカウント法で子どもの結果は異なっていた。母親については、段階よる違いはなかったが、場面による違いがあった。母子ともに絵本場面では、名詞優位であり、子どもで、その傾向が強かった。一語発話段階では、子どもでは、カウント法、場面にかわらず名詞優位、また、この段階の母親の言語入力は玩具場面では、動詞優位で、母親の言語入力とは関係なく、子どもは名詞優位であり、子どもが知覚的基盤により語彙を獲得する普遍的傾向が示され、Gentnerの自然分割仮説を支持した。また、人をあらわす語を名詞とカウントしない場合は、玩具場面での統語段階では動詞優位であった。日本語獲得児においては、日本語の言語構造の獲得に伴い、主語(名詞)が省略され、統語構造の中での動詞が残され、動詞が名詞より優位になることが示された。母親の発話も玩具場面では動詞優位であった。また、親の質問紙(CDIs)では、大きな名詞優位であり、これはPine(1992)やTardif et al. (1999)の結果と一致していた。子どもの語彙の発達が名詞優位に示されるように普遍的プロセスで、また、統語段階での動詞優位に示されるように子どもが獲得する言語構造及びその言語構造を有する母親からの言語入力の影響を受け、進行していくことが明らかにされた。比較言語学的研究がこの分野で盛んであるが、まず、方法論の確認、統一が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)