Project/Area Number |
11111217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
大竹 孝司 獨協大学, 外国語学部, 教授 (50203815)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 心内辞書 / 音韻表示 / 音韻発達 / 音節 / モーラ / 音韻獲得 |
Research Abstract |
前年度の調査では、(1)CVN、(2)CVV、(3)CVQなど3つの特殊拍を含む日本語の既知語と未知語の音節について、目本語を母語とする幼児が音節とモーラのいずれによって認識しているかをtappingの手法により明らかにした。その結果、文字が未獲得の幼児は、音節によって認識する可能性が高く、かな文字の獲得の程度に応じてモーラに移行する可能性が高いことが明らかになった。また、かな文字の獲得は単語レベルではなく、文レベルでの学習が行われることによって、モーラの認識がより強化される可能性が高いことから、幼児のモーラの認識は、かな文字の獲得と密接な関係があることが明らかになった。これら成果を踏まえた上で、本年度では、かな文字の学習が学校教育で正式に開始する小学1年生の初期(5月)と末期(3月)の2つの段階に焦点を当てて調査を実施した。昨年度の保育園児の調査では、かな文字の条件がコントロールできなかったが、今回の調査によりかな文字の獲得状況が明確になる。また、心内辞書に存在する日本語に加えて、存在しない外国語を用いることでかな文字の影響を回避する調査も併せて実施した。調査の結果、日本語については小学1年生の初期と末期の段階のいずれにおいてもモーラを認識する可能性が高いことが明らかになった。一方、外国語に対しては、初期の段階では音節による認識が、末期の段階ではモーラによる認識が行われる可能性が高いことが明らかになった。これらの結果は、成人が日本語と外国語のいずれに対してもモーラによって認識するのに対して、小学1年生は言語によって認識の違いが認められる点で大きな差異がある可能性があることが分かった。これらの成果は、言語学会、音韻論フォーラム、英語学会で発表した後、『音韻研究』に投稿済みで現在印刷中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)