Project/Area Number |
11111220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
重野 純 北里大学, 一般教育・体育及び資格教育センター, 助教授 (20162589)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 情動認知 / 文化的背景 / 振り / 視聴覚情報の統合 |
Research Abstract |
認知行動における社会・文化的環境の果たす役割を調べるために、視聴覚間で情動が不一致の場合、すなわち「振り」をしている場合について、異なる文化的背景をもつ日本人とアメリカ人を被験者として情動認知の実験を行い、日本人話者に対して、日本人とアメリカ人の被験者(聞き手条件)の認知成績がどのように異なるかを調べた。 有意味ではあるが特定の感情を表さない2つの日本語を、「幸福」「驚き」「怒り」「嫌悪」「恐れ」「悲しみ」の6つの基本的な感情を表すように、日本人のプロの俳優一名が視聴覚で情動が一致する場合と不一致の場合それぞれについて演技した。被験者は日本人大学生11名とアメリカ人大学生5名であった。提示条件は、「聴覚(音声)のみ」「視覚(顔面表情)のみ」「視聴覚(音声十顔面表情)」の3条件とした。 視聴覚の情動が一致する場合は、聴覚のみの提示条件、視覚のみの提示条件、視聴覚提示条件の順に正答率は高い傾向にあった。またその傾向は日本人被験者よりもアメリカ人被験者のほうが強かった。アメリカ人被験者の場合には、聴覚条件の正答率が特に低い傾向にあった。視聴覚間で情動が矛盾する場合は、聴覚の情動への同定率は高かったが、視覚の情動を選択する場合もわずかではあるが認められ、「振り」が完全には行われていなかったことが分かった。視聴覚の提示条件においては、日本人被験者の場合には音声の情動を取る割合が視覚のみ条件よりも高くなったが、アメリカ人被験者の場合には一番低かった。視覚の情動への同定率についてみると、聴覚の場合よりも高いことが分かった。しかしこの場合も「振り」が完全には行われず、聴覚の情動を選択してしまう場合があった。しかし視聴覚条件では視覚の情動を選択する率が増大した。 以上のことから、視聴覚間で情動が矛盾している場合、視覚情報が優先して選択されやすいと言うダビング実験の結果と同様の傾向が、「振り」実験においても生じることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)