震源のすべり速度関数に着目した震源近傍における強振動予測
Project/Area Number |
11115104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川瀬 博 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (30311856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 智美 大崎総合研究所, 主任研究員
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 強振動 / アスペリティ / 震源 / ディレクティビティ / 破壊伝播 / 理論解 / すべり速度 |
Research Abstract |
本研究ではまず兵庫県南部地震の際に震源近傍で観測されたような大振幅速度パルス波の性状をコントロールする要素が何であるかを調べるためにパラメタースタディを行った。今回は、パルス幅とアスペリティサイズ及び地表面最大速度と最大すべり速度の関係に着目した。まず最大すべり速度の影響を検討したところ、地動最大速度に大きな影響を与えるのは最終すべり量ではなく、最大すべり速度であることがわかった。次に、アスペリティサイズについては、パルスの幅(半波の継続時間)に影響し、それはアスペリティの見つけ長さにほぼ比例することが分かった。以上のように、地動速度の最大値は最大すべり速度で規定され、そのパルス周期はアスペリティサイズで規定されることがわかった。さらに理論速度波形の距離減衰を求めたところ、アスペリティからの距離に比例して減少することがわかった。しかるに観測されている地動の距離減衰は震源に近い部分で頭打ちする傾向にあることが普遍的に報告されている。この違いを説明するために、理論速度波形の距離減衰を求め、それを観測結果から求められている回帰式と比較した。その結果、断層全体への最短距離を用いて理論距離減衰を求め回帰式と比較するとよく一致すること、しかし実際に地震波を放出しているアスペリティ部分への最短距離を用いて距離減衰を求め回帰式と比較すると、ほぼ直線的な分布を示すことが判明した。この結果は、もしも頭打ち現象が事実をそのままに反映したものだとすると、アスペリティ最短距離には下限があることを示唆している。言い換えると、断層浅部に強い破壊(=アスペリティ)は存在しにくいことを示唆している。これはアスペリティの動的応力降下量に深さ依存性がある(=深いほど大きい)と考えれば説明される。この仮説は今後様々な解析を通して証明していく必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)