部位特異的変異法によるNO合成酵素の電子移動機構と酸素分子活性化機構の解明
Project/Area Number |
11116201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 透 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (40118956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIMON Daff 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50292298)
佐上 郁子 東北大学, 反応化学研究所, 講師 (10143033)
伊藤 攻 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (30006332)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / P450 / 酸素活性化 / 自動酸化速度 / アルギニン / プテリン / 一酸化窒素合成酵素 / ヘム酵素 |
Research Abstract |
生体内において極めて重要な働きをする伝達物質、一酸化窒素NO、をアルギニンから合成する神経型NO合成酵素(以下NOSと略す)の構造-機能相関、特に電子伝達及び酸素分子活性化の機構について研究した。 (1)NOSはP450型ヘムを含む酸化反応ドメインと還元酵素ドメインとから構成されている。電子は還元酵素ドメインのFNMから酸化反応ドメインのヘムの配位子システインの側(近位側)からヘムへ導入されると推定される。酸化反応ドメインの近位に存在すると推定される良く保存されたLysやArgを他のアミノ酸へ変異させてNO合成活性や電子移動速度などの活性パラメータを調べた。その結果、Lys423の変異体はNO合成活性がなく、NADPHからヘムへの電子移動も野生型に比べて極めて低かった。この結果からLys423はドメイン間電子移動に重要な働きをしている可能性が示唆された。 (2)神経系NOSでは、NO合成活性、及び、還元酵素ドメインから酸化反応ドメインへの電子移動にはカルシウム/カルモデュリンが必須である。又、神経型NOSには誘導型NOSにはない余分な42アミノ酸より成るペプチドがFMNサブドメイン内に存在する。この神経型NOSに存在する余分なペプチドを消失させた変異体を作成し、そのNO合成活性、及び、電子移動速度などの活性パラメータを調べた。その結果、消失変異体では、カルシウム/カルモデュリンを添加しなくても、NO合成活性、及び、NADPHからヘムへの電子移動が観測された。これらの結果より、この余分はペプチドはドメイン間の電子移動を常に阻害しており、カルシウム/カルモデュリンの結合によりこのペプチド周辺の大きな構造変化が誘起されて、ドメイン間の電子移動が可能になると推定された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)