ヘムオキシゲナーゼの構造と機能との関連(特に酸素活性化について)
Project/Area Number |
11116202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右田 たい子 山口大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90159161)
張 旭紅 山形大学, 医学部, 助手 (10292442)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / オキシゲナーゼ / 酸素活性化機構 / ヘム / ヘムの分解 / CO / ビリベルジン / ビリルビン |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)によるヘム分解反応では三つのモノオキシゲナーゼ反応が連続して起こりプロトヘムをαヒドロキシヘミン,ベルドヘム,ビリベルジン・鉄錯塩を経てビリベルジン,一酸化炭素,鉄イオンとに分解する。私共はこの三段階での酸素活性化機構に興味を持ち研究を行ってきたが,今年度は特に次ぎのような興味ある結果を得た. 第一の段階,即ちヘミンからαヒドロキシヘムヘの反応では酸素はヘム鉄に結合して活性化され,活性化された酸素の分子種はFe-OOHと推測されてきた.そこで私共はそれを証明するためにヘム鉄に酸素が結合した酸素化型HO複合体を作り、それに低温(77K)でγ線を照射して還元したところ、Fe-OOHのシグナルが現れた.更にその試料の温度を上げる(238K)ことによりそれはαヒドロキシヘムに転換した.これはFe-OOHが活性化酸素の実体である決定的な証拠である. 第二の段階の進行には一分子の酸素の他に一還元当量が必要であるが反応機構については異論があった.即ち,酸素だけでαヒドロキシヘムはベルドヘミン(酸化型)になりその還元に電子が使われるという説である.然し,私共は酸素と一電子の同時存在ではαヒドロキシヘムはベルドヘム(還元型)に転換するが,酸素分子だけではπカチオンラジカルに変化するだけであり,ベルドヘム生成は起らないことを詳細な実験から確認した.この第二段階の反応では酸素はヘム鉄ではなく,ポルフィリン還と直接反応して活性化されると思われる. 第三の段階,即ちベルドヘムからビリベルジン・鉄錯塩への反応では酸素分子と電子の共存が必要である事が知られた.また,酸素分子はベルドヘム鉄に結合して活性化されると考えられる結果を得た. 最後にビリベルジン・鉄錯塩の鉄が還元されるとHOから鉄とビリベルジンが離れヘム分解反応が完了する.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)