Project/Area Number |
11116205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
祥雲 弘文 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70012036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 力 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (40302377)
高谷 直樹 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (50282322)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 脱窒 / X線結晶構造解析 / ミトコンドリア / NADH結合部位 / シトクロムP450nor / 一酸化窒素還元酵素 |
Research Abstract |
1.P450norのNO型の超低温X線結晶構造解析に成功した。酸化型・NO複合体がNADHにより還元されて444nmにSoretピークをもつ中間体を生じる際、プロトンを供給する水素結合ネットワークの存在が示唆されていた。このネットワークを形成するSer292及びAsp393をそれぞれ他のアミノ酸に置換した変異タンパク質の構造を,X線結晶解析、FT-IR、共鳴ラマンスペクトルなどにより野生型野生型と比較した。その結果、74番の水分子が直接のプロトン供与体であること、上記二つのアミノ酸残基を含む水素結合ネットワークがプロトン供与系として機能していることなどが確認された。 2.P450norの遠位側には正荷電(塩基性)アミノ酸がクラスターをなしている。この正荷電クラスターを形成するLys62、Arg64、Arg174、Lys291などを中性または酸性(Glu)アミノ酸に置き換えた変異体タンパク質はいずれもNADHとの相互作用が阻害されていた。また野生型に比べ、酸化型(resting)のスペクトルは低スピンの割合が増加し、すなわち上記変異はハロゲンやリン酸などの陰イオンの結合と類似したスペクトル変化を与えた。以上の結果より、この正荷電クラスターがNADHの結合に重要であることが支持された。 3.P450とその還元酵素が融合したP450foxyを大腸菌を宿主として大量発現することに成功した。これによりX線結晶構造解析やその他の酵素学的研究において大きな飛躍が期待できる。 4.脱窒真菌Fusarium oxysporumのミトコンドリアを脱窒条件および好気条件で培養した菌体から調整し、電子顕微鏡による観察を行った。その結果、嫌気的な脱窒条件でも完全な形態を示すミトコンドリアが形成され、またシトクロム酸化酵素の活性も好気条件と大差無いくらい発現していた。従ってこのカビにおいて、脱窒条件(微好気条件)では酸素呼吸と硝酸呼吸を同時に行う複合呼吸系ともいうべき現象の存在が明らかになった。
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