神経内分泌小胞膜に特異的に存在する電子伝達系の構造と機能
Project/Area Number |
11116225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
鍔木 基成 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (00145046)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | クロマフィン小胞 / ノルアドレナリン / チトクロムb561 / アスコルビン酸 / 電子伝達 / ビタミンC / 膜タンパク質 / MALDI-TOF-MS |
Research Abstract |
(1)パルスラジオリシス法によるMDAと還元型チトクロムb561との電子伝達反応の解析を行った。ミリ秒領域においてMDAは還元型ヘムを酸化し、秒領域ではAsAによる酸化型ヘムの再還元が見られた。MDAによる酸化はpH5.5で最大の値を示し、pHが上昇するとその速度は減少した。一方、AsAによる還元過程は中性付近で速度が最大となった。このことは、2つの電子伝達反応が全く違う部位において行われていることを示している。過剰量のMDA存在下でも全ヘムの半分しか酸化されず、半分のヘムのみがMDAとの反応性を持つことがわかった。 (2)酸化型チトクロムらb561をDEPC(diethyl pyrocarbonate)で処理すると、AsAからの電子伝達が阻害され、ヘムの還元速度が顕著に低下し、約半分のヘムしか還元されないことがわかった。パルスラジオリシス法によりMDAとの反応を調べると、還元型ヘムの酸化過程は未処理の場合と同程度であったが、続くAsAによるヘムの再還元過程は全く観察されなかった。DEPCによる修飾部位をtrypsin, V8 protease消化断片のMALDI-TOF-MSスペクトルにより解析した。His88,His161,Lye85の3つの残基が修飾されていていることがわかった。細胞質側へムの配位子His88,His161の修飾が起こりAsAからの電子受容ができなくなったと考えられる。以上の結果は、チトクロムb561中の2つのへムは、AsAとMDAとの電子伝達反応において別個の役割を持ち、MDAは小胞内側に位置するヘムを酸化し、その後、細胞質側に位置するヘムからの分子内電子伝達反応が起こると、酸化された細胞質側へムが再びAsAにより還元されると思われる。 (3)下等な中枢神経系を持つプラナリア(扇形動物門)におけるチトクロムb561の全長。cNAクローンを得ることに成功した。アミノ酸配列解析より、高等動物で完全に保存されて機能的に重要な役割を持っていると思われる2つの保存性領域が、プラナリアb561においても完全に保存されていることがわかった。高等動物において完全保存されていた6つのHis残基の内の1つが、Asn残基に置換していることもわかった。 (4)植物(Arabidopsis thaliana)にもチトクロムb561類似のタンパク質が発現している。この類似タンパク質一次構造を明らかにするため、A. Thaliana cDNAライブラリーからcDNAクローニングを行った。2種類のクローンを得、その全長配列を調べた。動物で見られた2つの保存性領域の内、細胞質側に位置しAsAとの相互作用に関与すると思われる領域の保存性は良くなかった。小胞内側に位置しMDAとの相互作用に関与すると思われる領域は良く保存されていた。6つの保存在His残基の内、プラナリアb561でAsn残基に置換していたHis残基が2つのクローンの内の1つではGln残基に置換していた。この結果はプラナリアb561 cNAの解析結果を裏付けるとともに、植物のチトクロムb561は生理的役割が動物チトクロムb561とは異なる方向に分子進化したものであることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)