構造を制御した薄膜酸化物で被われた金属電極での表面準位と電子移動反応
Project/Area Number |
11118204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大塚 俊明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20113532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 幹人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00292053)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 不動態皮膜 / 耐食性 / 鉄 / キャパシタンス / 水和酸化物層 / 半導体電極 / ルミネッセンス / 電子伝達 |
Research Abstract |
1.目的 通常の環境下で,貴金属以外の金属材料を使用すると,空気酸化で自然生成する不働態酸化物薄膜で被覆される.それ故,金属電極上での電荷移動反応(イオンあるいは電子移動反応)の大部分は,酸化物薄膜を介する反応となる.本研究では厚さを制御した酸化物薄膜被覆電極反応に関して,以下の項目を調べた:(1)表面準位測定のための変調励起手法の開発;紫外光(He-Cdレーザー)照射に伴う励起表面準位を求める手法を確立する.(2)電極上の酸化物薄膜の表面準位の測定ならびに電荷移動反応への影響;表面準位とイオン電荷移動反応(腐食反応)ならびに電子移動反応(電極触媒反応)との関連を明らかにする. 2.結果 鉄不動態皮膜の厚さは生成アノード電位により2-6nmの範囲で制御した。また,皮膜生成時に鉄(II)イオンを水溶液内に加えておくと,その濃度と酸化時間に比例して外層として水和酸化物層が数10nmの厚さで生成する。内層である不動態皮膜ならびに外層である水和酸化物層の厚さを関数として水溶液内の酸化還元種の皮膜を介する電子伝達速度を調べた。鉄不動態皮膜はアノードバイアス下で電子伝達を完全に抑制する。キャパシタンス―電位関係から,不動態皮膜がn-型半導体電極として機能し,アノードバイアス下で生成する空欠層が電子伝達に対する有効な障壁として機能していると推定できる。水和外層は厚さの割には電子伝達抑制効果が小さく,皮膜が単に拡散障壁として働くと思われる.さらに,He-Cd紫外光レーザー励起条件下での光励起発光(ルミネッセンス)が測定可能な装置を,分光器とマルチ光学検出器を組み合わせて作製した。現在,鉄不動態皮膜からの微弱な発光をアノード分極下,種々のアニオン種を含む水溶液中で測定中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)