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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
(1)プロタミン プロタミンは血液中の血液凝固阻害因子であるヘパリンの働きを抑え制御する分子であり,ヘパリンと共に大変重要な分子である.チオクト酸の自己集合膜(SAMs)で修飾した金電極を作製し,ポリカチオンであるプロタミンの検出を試みた.血液中にはプロタミンの他にNa^+,K^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>などの電解質カチオンが存在するが,これらのイオンは生理的濃度では本センサーのプロタミンに対する応答を何ら妨害しないことが,人工血清を用いた実験から示された. (2)ヘパリン 臨床的にも重要な血液凝固阻害因子であるヘパリンは,高分子ポリアニオンである.チオクト酸SAMs修飾金電極にプロタミンを静電的あるいは共有結合的に結合させた電極を作製し,ヘパリンの検出を行った.測定ごとに新しく作製した電極を用いて,同濃度のウマ血清中ヘパリンを測定したところ,測定値は1.21±0.026μg/mLだった.(1),(2)の実験を通じて,本センサーは実サンプルでの測定に十分使用可能であることが確認された. (3)リン酸レセプター修飾電極 我々は以前,水素結合を形成して無機アニオンを認識するレセプターの単分子膜をLangmuir-Blodgett(LB)法により作製した.その無機アニオンレセプターの認識部位と同じ部位を認識部位として持ち,チオール基により金電極に結合しSAMsを形成するレセプター分子を新規に合成した.この分子で金電極表面を修飾し,無機アニオンに対する応答を観測したところ,リン酸イオンに対して選択的に応答し,硫酸イオンにはほとんど応答しないことが確認された.また,他の妨害アニオンに対しても応答は小さかった.この結果は,本センサーがリン酸イオンを測定できる実用的センサーとなる可能性を示唆している.
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