Project/Area Number |
11118220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八木 一三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40292776)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ダイヤモンド / ボロンドーピング / ホモエピタキシャル成長 / オフカット面 / 単結晶薄膜 / 電極反応 |
Research Abstract |
本研究においては、導電性単結晶薄膜の成長を試み、単結晶を用いてダイヤモンド電極が本来共有する電気化学及び光電気化学特性の評価を目的としている。ここでは、人工合成ダイヤモンド単結晶基板上に導電性ダイヤモンド薄膜を作製するホモエピタキシャル成長の結果について報告する。ダイヤモンド薄膜の成長はマイクロ波プラズマCVD法により行った。基板にオフ角度をつけることにより基板上のステップ幅が基板表面に入射した炭素前駆体の拡散長より短くなり、ステップフロー成長が起こりやすくなった。結果として成長膜は平坦な単結晶(100)面であることがわかった。得られた薄膜は結晶粒界、sp^2炭素が少なく、(100)面が揃っているので、従来の多結晶薄膜に比べてより詳細にダイヤモンド電極の電気化学特性が評価できる。硝酸溶液中におけるサイクリックボルタモグラムでは、水素発生・酵素発生電流の立ち上がりがそれぞれカソード・アノード方向にシフトした。単結晶表面の抵抗率が多結晶のそれよりも高いことから、ボロンドープ量が低く、irドロップのために水素・酵素過電圧が大きいものと考えた。実際、ボロン導入が起こりやすい(111)電極では電位窓が多結晶電極とほぼ同程度のCVが報告されている。しかしながら、電解質溶液中にヘキサシアノ鉄錯体やヘキサアンミンルテニウム錯体などの一電子酸化還元種を導入した場合、多結晶電極と殆ど変わらない準可逆な電子移動を反映したCVが得られた。この事実は、ダイアモンド表面において外圏型電子移動が起こるサイトと水素・酵素発生などの内圏型多電子移動反応が起こるサイトが異なっている可能性を示唆している。
|