電極表面における吸着有機単分子層の相転移挙動と電極反応
Project/Area Number |
11118235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保原 大介 京都大学, 工学研究科, 助手 (60303864)
山本 雅博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60182648)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / チオール誘導体 / アルカンチオール / Au(111) / STM / 還元的脱離 / 相分離 / pK_a |
Research Abstract |
本研究では、金属原子が規則正しく配列した電極表面におけるチオール誘導体分子のミクロな構造が、それらの分子の酸化還元特性という巨視的なふるまいにどのように反映されるかを、実験と理論の両面から解明することを目的とし、以下のような成果を得た。 1.吸着した分子と脱着した分子の表面濃度との間に最近接相互作用のみを考慮した格子統計モデルに基づく等温式が成り立つと考え、数値的にボルタモグラムを計算した。チオール自己組織化単分子膜(SAM)のサイクリックボルタモグラム(CV)で観察されるチオール分子の還元的脱離に伴うピークの特徴がよく再現され、ピーク電位のシフトには、脱着した分子の吸着自由エネルギーのアルキル鎖長依存性の寄与が比較的大きいこと、ピーク面積と吸着量の差異は脱着に伴う充電電流で説明できることが示唆された。 2.チオールの末端官能基の解離状態を調べるために末端にカルボキシル基を有するチオールから形成させたSAMのpK_aをキャパシタンス測定により見積もった。HS(CH_2)_2COOHでは、見積もられたpK_aは約8.5で、バルク溶液中の値に比べてアルカリ側に4pHユニット大きい値であった。また、pK_aの値は、メチレン鎖長が長くなるほど大きくなった。 3.溶液中に溶存しているチオールと吸着した分子との交換反応が、2種類のドメインを形成しながら進行することが、還元的脱離CVと走査トンネル顕微鏡(STM)を用いた測定から明らかとなった。 4.より完全に相分離する二成分SAMの形成させ、電位制御により一方のチオールのみを選択的に置換した。選択的脱離後および選択的置換後の膜構造をSTMで観察した結果、相分離した二成分SAMから一成分を選択的に脱離した後では表面に残っている分子が倒れ込んでいること、置換の前後でドメインサイズは、ほぼ保たれていることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)