複合メゾスコピック構造を有するエネルギー変換材料の分光学的研究
Project/Area Number |
11118240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
作花 哲夫 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (10196206)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ラマンスペクトル / シリコン / 銀微粒子 / 置換めっき |
Research Abstract |
半導体と金属の複合系では、そのメゾスコピックな形態制御により光電極材料としてのエネルギー変換効率を向上させることが可能である。本研究では微細構造によるラマンスペクトルへの影響に着目することとし、鏡面研摩のシリコンウエハーに銀を置換めっきした表面について、フッ酸処理やその後の熱酸化による構造変化がラマンスペクトルに及ぼす影響について調べた。鏡面研摩されたシリコンウエハーを硫酸銀水溶液に浸漬するとナノメータサイズで二酸化シリコン上に銀が析出した構造が形成される。この試料のラマン散乱スペクトルには、大きなバックグラウンドとともに950cm^<-1>付近にピークが見られた。この付近には通常シリコンの二フォノン散乱による小さなピークが見られるが、シリコンのバルクフォノンの振動に起因する520cm^<-1>のフォノンピークと比較して異常に大きく現れることから、シリコン以外に帰属されるものと考えられる。この試料をフッ酸水溶液で処理する前後のラマン、赤外スペクトル測定およびAFM観察を行った。赤外スペクトルおよび原子間力顕微鏡観察の結果から、銀を置換めっきした試料ではシリコンの酸化物が生成し、100nm程度から数nm以下までのサイズ分布を持つ丸い粒子状の銀が析出していること、フッ酸処理により酸化物は消失し、析出している銀の形状も大きく変わること、および、その後の熱処理でシリコンが再び酸化されることがわかる。ラマンスペクトルに着目すると、フッ酸処理前に見られた大きなバックグラウンドと950cm^<-1>付近のピークはフッ酸処理により消失すること、さらに、その後空気酸化してもこのスペクトルは復活しないことがわかる。このことはラマン散乱スペクトルが析出した金属や生成した酸化物の微細形態に敏感であることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)