自己集合性光機能分子による電極修飾とその光電変換特性
Project/Area Number |
11118247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今堀 博 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90243261)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | フラーレン / ポルフィリン / 人工光合成 / 光誘起電子移動 / 自己組織化単分子膜 / 光電変換素子 |
Research Abstract |
光合成が超分子構造を有して光により効率よく電荷分離を行うシステムであることに着目し、人工光合成素子を電極上に分子レベルで集合化・機能発現させることを試みた。具体的には自己組織化単分子膜法を用いて、ポルフィリンおよびフラーレンを金基板上に集合化させ、その膜構造と光電気化学特性の相関を検討した。まずポルフィリンと金電極間のスペーサー部分の長さを種々変化させた修飾金電極を作製した。その結果、スペーサー長が十分に長いと高配向・高密度膜が形成されること、ならびにスペーサーのメチレン鎖数に関して偶奇依存性があることがわかった。また修飾金電極を用いて光電気化学セルを構築し、量子収率を系統的に決定したところ、スペーサーの長さが増加するにつれ量子収率は増加し極大値に達した後徐々に減少することがわかった。このことから量子収率の最適化には適切な長さのスペーサーが必要で明らかとなった。以上を踏まえて、十分な長さのメチレン鎖長を持つC_<60>の自己組織化単分子膜を作製し、光電気化学特性を検討した。その結果、量子収率は7-10%程度とポルフィリン系に比べて1-2桁改善された。このことはC_<60>が優れた電子移動特性を持っていることを示唆している。さらにフェロセン-ポルフィリン-C_<60>から構成される光合成型光電池を自己組織化単分子膜法を用いて同様に構築した。その量子収率はフリーベースポルフィリン系で25%、亜鉛ポルフィリン系で20%と、今までに報告されている金属電極上の単分子膜で光合成型の多段階電子移動をまねたものの中で最高値となった。以上のことから、自己組織化単分子膜法、多段階電子移動、小さな再配向エネルギーを持つフラーレンの利用が人工光合成を構築するにあたり極めて有効であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)