ニッケル-アルミニウム共同作用による選択的結合形成-切断反応
Project/Area Number |
11119205
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小笠原 國郎 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60004602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 道康 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (80089789)
谷口 孝彦 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90271915)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 脱アリル化反応 / ジイソブチルアルミニウムヒドリド / ニッケル / 触媒反応 / 炭素結合反応 / アリルエーテル / トリメチルアルミニウム / トリエチルアルミニウム |
Research Abstract |
アリルエーテル結合からビニルエーテル結合への転位反応を検討中に,ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL)が塩化ニッケル-1,3-ビスジフェニルホスフィニルプロパン(dppp)NiCl2の存在下に,アリルエーテル気質について一般性を検討した.その結果,1モル%の(dppp)NiCl2を含むアプロティック溶媒中1.5当量程度のDIBALによって選択的にアリルエーテル結合が開裂されることを見出だした.この際,開裂は無置換のアリル結合にのみ起こり,オレフィン上に置換基を持つ置換アリルエーテルあるいはベンジルエーテルが分子内に共存してもアリルエーテルのみが選択的開裂を起こした.この間アリル基はプロペンとして還元的に除去されることが1H NMRの測定によって確認することが出来た.さらにDIBALの代わりにナトリウムボロヒドリドを用いアルコール性溶媒中で反応を行なうことにより,カルボン酸エステル基が分子内に共存してもエステル部を損なうことなく選択的に脱アリル化が進行した. 環状アリルアセアールもDIBAL-(dppp)NiCl2の条件下に脱アリル化を起こし環状ヘミアセタールを与えた.この際過剰のDIBALによるヘミアセタールの還元が起こり収率が低下した.そこでDIBALの代わりにトリエチルアルミニウムを用いたところ,脱アリル化のみが起こりヘミアセタールを高収率で与えた.しかしながらトリメチルアルミニウムを用いると,脱アリル化加え,前例のない炭素-炭素結合形成反応が起こることを見出した.すなわち,基質アリルエーテルのオレフィン部内部にトリメチルアルミニウムに由来するメチル基が結合し,そしてオレフィン部末端に脱離したアリル部が結合した成績体を生成する興味ある反応を発見することが出来た.
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)