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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
複素環アルケンや官能性アルキンなどのヘテロ原子と遷移金属の潜在的な配位結合,ケイ素-ロジウム結合の多元素相互作用を,炭素環構築の錯体触媒反応に活用することによって,(1)官能性不飽和基質間の多成分一段連結反応を実現すること,(2)錯体触媒によるアルキン三量化機構におけるメタラシクロペンタジエン中間体の反応様式に新概念を導入すること,(3)ヘテロ原子と常磁性有機金属錯体の配位結合と共有結合の同時形成を推進力とする高選択的遷移金属誘起ラジカル環化を達成することを目的として研究し,下記の成果を挙げた. 1.シクロペンタジエニル・ルテニウム(II)錯体を触媒とする,1,6-ジイン類と環状アルケン類との斬新なドミノ型式の高選択的付加環化に成功した.とくにメタラシクロペンタジエン中間体のビスカルベノイド的挙動による全く前例のない歪みを有する環状アルケン類とのビスシクロプロパン化を発見した実績は,上記目的の(2)に照らし特筆に値する. 2.両末端にアルコキシカルボニル基をもつプロパルジルエーテル誘導体のメタラシクロペンタジエン中間体を経由する交差型付加環化をPd(0)錯体をもちいて実現した. 3.ロジウム触媒を用いる置換ジイン類のヒドロシリルカルボニル環化を,アルキニルアミンおよび1,6-エニン系に拡張し,ケイ素官能化5員環環状骨格形成を実現した. 4.ヘテロ原子への相互作用を推進力とする,有機チタン(III)錯体の高選択的ケト-ニトリルカップリングおよび触媒的トランス選択的ピナコール環化カップリングを創出した.
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