Project/Area Number |
11119238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真嶋 哲朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00165698)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ラジカルカチオン / スピン電荷分離 / スピン電荷混成場 / ラジカル反応 / カチオン反応 |
Research Abstract |
電子線パルスラジオリシス法を用いて、室温、1,2-ジクロロエタン中で1,1-ジアニシルエチレンのラジカルカチオンを生成させ、中性分子との二量化によってスピンと正電荷がそれぞれ1位と4位との分離した1,4-分離型ダイマーラジカルカチオンが生成することを見い出し、過渡吸収スペクトル測定、ラジカル部位と酸素分子との二分子反応速度および求核試薬との二分子反応速度の測定などを行ってきた。本年度は、pull型trans-p-一置換(A)、push型trans-p-一置換(B)およびpush-pull型trans-p,、p'-二置換(C)スチルベン類の1,2-ジクロロエタン溶液の室温パルスラジオリシス法によって、それぞれ対応するp-一置換およびp,p'二置換スチルベン類のラジカルカチオンの二量化反応速度と、生成する二量体ラジカルカチオンの安定性や構造をスピン-正電荷混成場であるラジカルカチオンの生成という観点から検討した。Stの一方のフェニル基のp位の置換基が電子吸引性置換基を持つA^<・+>またはB^<・+>は、AまたはBとの二量化によって(二量化反応速度定数k_2=(2.8-3.2)×10^8または(2.0-3.4)×10^8M^<-1>s^<-1>)、スピン-正電荷が分離したσ-A_2^<・+>またはσ-B_2^<・+>を生成することがわかった。次にSt^<・+>の2つのフェニル基の一方に電子供与性のメトキシ基、他方に電子吸引性の置換基をもつC^<・+>は、室温下でCと二量化反応を行って(k_2=10^7M^<-1>s^<-1>)、535nmに吸収極大をもつσ-C_2^<・+>(スピン-正電荷分離型ラジカルカチオン)を形成することがわかった。結論として、St^<・+>のベンゼン環のρ-位の置換基の電子的効果がスピン-正電荷混成場を変化させるため、k_2や生成するダイマーラジカルカチオンの安定性や構造に大きく影響することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)