Project/Area Number |
11119241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
山崎 祥子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50182481)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | セレノシリルエテン / ケイ素1、2-転位 / 重水素置換体 / [2+1]環化付加 / [2+2]環化付加 / チオシリルエテン |
Research Abstract |
我々が最近見出した、ケイ素,セレン置換アルケンである1-セレノ-2-シリルエテンと求電子オレフィンとのルイス酸存在下での形式的な[2+1]環化付加反応により、シクロプロパン化合物が得られるという新合成反応は、多置換シクロプロパンが立体選択的に得られることなど、有機合成上のメリットも大きい。反応機構の推察と、他の原子との組み合わせによる本反応を基礎とした展開を目指した研究を行なった。 1.新規な[2+1]環化付加の反応機構を調べるため、重水素置換体を合成し、反応を行なった。重水素を含む2種類の1-セレノ-2-シリルエテンをそれぞれ、重水素置換トリメチルシリルアセチレン、重水素化トリブチルスズを原料として合成した。これらのホスホノアクリル酸エステルとビニルメチルケトンとの[2+1]環化付加反応をそれぞれ行なった。いずれの反応もセレンではなくケイ素が転位したことがはっきりした。次にセレノシリルエテンとの反応で[2+2]付加反応が起こる求電子性オレフィン、ジシアノエテンカルボン酸ジメチルエステルとこれらの重水素化セレノシリルエテンとの反応を行なったところ、[2+2]付加ではケイ素の転位は起こっていないことが確かめられた。さらに、臭化亜鉛存在下ででは[2+2]付加が塩化スズとの反応と逆の位置選択性で起こり、重水素は初め付いていた炭素にそのままあることが確かめられた。 2.硫黄置換体1-チオ-2-シリルエテンの環化付加反応を試みた。1-チオ-2-シリルエテンとホスホノアクリル酸エステルのヨウ化亜鉛存在下での反応で、-30℃で[2+2]付加体が主生成物として得られるが、室温では、[2+1]付加体が主生成物になる。今回、初めてケイ素、硫黄置換オレフィンを用いてシクロプロパンを合成することに成功し、硫黄でもルイス酸、反応条件を整えれば類似の反応が起こることを確認した。
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