固/液電子伝達系に於ける電子移動制御と不斉反応場の構築
Project/Area Number |
11119245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 秀雄 岡山大学, 工学部, 助教授 (60032950)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 触媒的野崎-檜山反応 / 炭素-炭素結合形成 / TDAE / 多重レドックス / 電子移動触媒 / ホロゲン化アルケニル / アルミニウム / ベーターラクタム系抗生物質 |
Research Abstract |
電子を放出できる金属や有機分子を電子源とし、多重金属レドックスを電子移動触媒とする電子伝達系で惹起する新しい炭素-炭素結合形成反応や高選択的官能基変換法の開発を行った。まず、亜鉛に匹敵する還元力を持つテトラキス(ジメチルアミノ)エチレン(TDAE)を電子源とする触媒的矢崎-檜山反応について検討した。その結果、芳香族アルデヒドとβ-ブロモスチレンとを、DMF中、TDAEと触媒量のNiBr_2、CrCl_3存在下反応させると相当するクロスカップリング体が、収率良く生成することを見出した。 一方、同反応をTDAEにかえて亜鉛を用いるとアルデヒドの還元二量体であるピナコールが選択的に生成し、TDAEと触媒量のNiBr_2存在下で反応を行うとβ-ブロモスチレンのホモカップリング体ばかりが生成した。 アルミニウムを電子源とする多重レドックス系電子移動触媒反応についても進捗があった。アルミニウムと触媒量のPbBr_2/NiBr_2(bpy)からなる複合金属レドックス系で、3-トリフリル-Δ^3-セフェムと種々アルケニルハライドとを反応させると、3-アルケニル-Δ^3-セフェムが収率よく生成した。3-クロロ-Δ^3-セフェムを用いても、ほぼ同様の反応が進行した。一方、この反応系に少量の水を添加して反応を行うと3-位置換基が水素化された生成物が得られた。得られる生成物は、いずれも有用なβ-ラクタム系抗生物質の合成中間体であるので、反応の最適化とその生成機構の解明について研究を進めた。 以上の成果は、多重レドックス系電子移動触媒反応が、複雑な化合物にも適用できることを実証するとともに、今後の研究展開の指針となる貴重な知見を得ることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)