金属-炭素結合の形成と有機合成反応への応用に関する理論的研究
Project/Area Number |
11119254
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
杉本 学 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (80284735)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 金属-炭素結合 / 量子化学 / 密度汎関数法 / カルビン錯体 / C-C結合形成反応 / 触媒反応 |
Research Abstract |
本研究では(1)COを基質とするC-C結合形成反応の素過程、(2)Pt(II)-H、Pt(II)-SiR_3結合へのアセチレン挿入反応、に関する理論的検討を主な研究課題とした。(1)の反応としては、近年村井らにより報告されたRu_3(CO)_<12>あるいは[RhCl(CO)_2]_2を用いる触媒反応に注目した。提案された反応機構では、従来単離されていないシロキシカルビン錯体が中間体として生成するとされている。このため、本研究では、シロキシカルビン錯体の構造と安定性、およびその電子状態について、密度汎関数法を用いて検討した。計算の結果、シロキシカルビン錯体に相当する錯体は、単純なカルビン錯体ではなく、金属上に負電荷がのった電子配置、シリル基が決合するCO配位子に負電荷が局在した電子配置が混ざり合った電子状態を取っていることが明らかとなった。また、この知見に基づいて、この種の反応の制御に関する触媒設計指針を提案した。(2)については、不飽和炭化水素のヒドロシリル化反応の素過程である挿入反応を、分子軌道法により検討した。アセチレンはPt-SiR_3結合よりもPt-H結合に容易に挿入しやすいことを示す一方、エチレン挿入反応と比較してPt-SiR_3結合への挿入も比較的容易に進行することを示した。また、Small-polaronモデルを用いることによって、反応熱と活性障壁の高さが単純な公式で関係づけられることを示すとともに、遷移状態構造の特徴、基質や挿入の起こる結合によって反応性が異なる理由を明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)