遷移金属触媒カップリング反応を用いる新規炭素同素体の合成
Project/Area Number |
11119256
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊與田 正彦 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50115995)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 炭素系同素体 / 遷移金属触媒 / カップリング反応 / デヒドロアヌレン / [12]アヌレン / グラフィン / ナフタレノファン |
Research Abstract |
近年、新しい炭素同素体の化学が理論化学者および実験化学者の間で大きな関心を集めている。特に、グラファイト型の平面構造を持った炭素同素体は、単体としての安定性・電気伝導性などの物性、およびその層間へのインターカレーションなどの性質に興味が持たれる化合物である。また、鎖状同素体に関しては、直線状に炭素が並んだカルビン類の一種とも見なすことができ、その物性には特異なものが期待できる。このように、新しい炭素同素体には、種々の物性が期待でき、その合成が完成すれば大きなブレークスルーが予想される。しかしながら、その有効な合成法が無いために、これまで行われてきた多くの研究では、小さな構成単位を合成するに留まっており、これらを3-6個連結させた大きな部分構造を作りだすには至っていない。本研究では、申請者らの開発した新しい合成法を用いて大きな部分構造を合成し、新しい炭素同素体の性質をその部分構造を用いて解明することを目的として、以下の合成を行った。 (1)トリベンゾヘキサデヒドロ[12]アヌレン多量体の合成:トリベンゾヘキサデヒドロ[12]アヌレンを基本単位とする炭素同素体'graphyne'の性質を解明するために、トリベンゾヘキサデヒドロ[12]アヌレン二量体の合成を行った。合成方法としては、最近我々の開発した触媒量のヨウ化銅を用いる環化反応を用い、効果的に合成することができた。 (2)ビフェニル架橋ナフタレノファンの合成:ビフェニルで2つのナフタレノファン環を架橋したオリゴフェニレンは、曲がったπ電子構造を持つ炭素同素体の基本骨格である。そこで、この化合物を合成して、分子のπドナー性および分子の持つ強い蛍光を調べた。このナフタレノファンはひずんだ化合物であるが、熱的に非常に安定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)