Project/Area Number |
11120216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中平 靖弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90004332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加固 昌寛 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10233678)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ゲルミレン / ゲルモール / ゲルマシクロペンタジエニリデン / 芳香族性 |
Research Abstract |
2配位ケイ素原子、すなわちシリレン単位を環内に含む新規な環状共役2配位ケイ素化学種、シラシクロペンタジエニリデンを合成してその反応性、さらに理論的立場からその構造および電子状態に検討を加え、これが反芳香族4π電子系化合物であることを明らかにした。今回、この高周期同族体である環状共役ゲルミレン、すなわちゲルマシクロペンタジエニリデン1を発生させ、その反応性を検討した。前駆体と期待されるゲルマノルボルナジエン誘導体4を得るために、スピロ型ビスゲルモールにシクロオクチンをDiels-Alder反応させた。しかし、対応するシロール誘導体の場合と異なり、恐らく4が極めて熱的に不安定なため、本反応ではその分解生成物であるテトラフェニルベンゼン7が得られたのみであった。そこで、この反応過程で1が実際に発生していることを確認するために、同反応条件下捕捉剤o-キノン5を存在させて反応を行った。その結果、期待される捕捉生成物6が7とともに得られた。6は対応する1,1-ジクロロゲルモールとカテコールから別途合成した標品と一致した。次に分子内に、ジシラゲルマン単位を有する9,9-ジシラ-9-ゲルマフルオレン8を合成し、その光分解による9-ゲルマフルオロニリデン2の生成を試みた。8をヘキサン溶液中で捕捉剤2,3-ジメチルブタジエン存在下で低圧水銀灯を用いて光照射すると、期待される捕捉生成物9が得られた。上述のようにo-キノンおよび1,3-ジエン付加体6および9が生成することはゲルマシクロペンタジエニリデン類1および2がシラシクロペンタジエニリデン類と同様に4π反芳香族的な性質を有することを示唆している。
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