複数のカルコゲン-ハロゲン原子からなる長鎖状結合をもつ化合物の合成とその物性
Project/Area Number |
11120232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
中西 和郎 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80110807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 聡子 和歌山大学, システム工学部, 助手 (00294306)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 3c-4e / 4c-6e / 7c-10e / Se---Se非結合相互作用 / 非経験的分子軌道計算 / X線結晶構造解析 / ハロゲン-カルコゲン結合 / 長鎖結合の安定化 |
Research Abstract |
ナフタレンのペリ位にSe原子と置換基Gを有する8-G-1-(p-YC_6H_4Se)C_<10>H_6におけるSe原子周辺の配座は、3種類(type A, type B, type C)に大別して論議できる。1-[8-(p-YC_6H_5Se)C_<10>H_6]-SeSe[C_<10>H_6(SeC_6H_5Y-p)-8']-1'(1:a(Y=H),b(Ome),c(Me),d(Cl),e(Br),f(COOMe),g(NO_2))および1-(MeSe)-8-(C_6H_5Se)C_<10>H_6(2a -g)を合成した。このうち1aはの構造は、重複したtype A-type B pairingであり、2aはtype C-type C pairingである。これに対して2bおよび2a構造は、それぞれpseudo-およびpure type A-type B pairingであることを証明した。この結果は、OmeとClのI-効果とR-効果の差異に因るものである。 1および2の特異な構造に由来する新規な物性を解明する第一歩として、1-および8-位のδ(Se)に対する置換基効果を検討し、1において、1-位のδ(Se)を8-位のδ(Se)でプロットしたところ負の傾きを与えた(a=-0.282)。これに対して2について同様のプロットを行ったところ正の傾きが得られた(a=0.252)。前者をinverse correlation、後者をregular correlationと命名した。2におけるregular correlationは、2c-4e,3c-4eまたはナフタレンのπ-骨格を経由した場合の効果であると推測される。これに対して、1におけるinverse correlationは、4個のSe原子の構成する直線状結合4c-6eの特異な電子伝達効果の現れであると期待される。この得意な電子伝達気候を明確にするため、適切なモデルを用いて上述の7種類のYについてGIAO法に基づきNMR化学シフトの計算およびnatural populationの計算を行った。その結果に基づいて、電子伝達効果の機構を確定した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)