共有結合性及び多重結合性リン配位子を有する遷移金属錯体の合成と反応性
Project/Area Number |
11120235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中沢 浩 広島大学, 理学部, 助教授 (00172297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 和幸 広島大学, 理学部, 助手 (90263665)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ホスホラン / ルテニウム / Berry擬回転 / 活性化パラメーター / apicophilicity / 転位反応 |
Research Abstract |
ルテニウムのホスホラン錯体[Cp(CO)_2Ru{P(OC_6H_3MeO)_2}]を新規に合成し、X線結晶構造解析を含めて、錯体の同定を行った。相当する鉄ホスホラン錯体との比較より、Ru錯体の方がM^<δ+>-P^<δ->の分極が大きいことを明らかにした。Ruホスホラン錯体の温度可変^<31>P NMRスペクトルの解析を行うことにより、メタラホスホランとしては初めて、リン周りでのBerry擬回転活性化パラメーター(ΔH^‡=42.1kJmol^<-1>,ΔS^‡=-91.1Jmol^<-1>K^<-1>,ΔG^‡=73.1kJmol^<-1>)を決定した。 また、[Cp(CO)_2Fe{P(OPh)_3}]^+とEt_4NFとの反応により、Fを置換基とする鉄ホスホラン、Cp(CO)_2Fe(PF_4)およびCp(CO)_2Fe{PF_3(OPh)}が生成することを明らかにした。さらに、これらの錯体のBerry擬回転エネルギー障壁が、遷移金属を含めたリン上の置換基のapicophilicityで説明できることを示した。 ルテニウムホスホラン[Cp(CO)_2Ru{P(OC_6H_4Z)_2}](Z=NMe,O)にルイス塩基であるLiN(^iPr)_2を反応させ、その後Melを反応させることにより、ホスホランフラグメントがRuからCp環へ転位した錯体(C_5H_4{P(OC_6H_4Z)_2}(CO)_2RuMeが生成することを見出した。さらに、この反応を-30℃で行うと、リン上の置換基の立体配置の異なる(1つのNがアピカル位、1つのOがエカトリアル位を占める)ホスホラン転位生成物が観測され、それが徐々にN-エカトリアル-O-アピカル異性体へ変換して行くという前例の無い反応を見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)