Project/Area Number |
11120248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
磯辺 清 大阪市立大学, 理学部, 教授 (70101285)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ジスルフィド錯体 / ジスルフィドの酸化 / Michael付加 / ブタジエン錯体 / C-C結合形成 |
Research Abstract |
S_4基を有するの四核錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-S_4)]^<2+>から誘導されるジスルフィド錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-S_2)]はO_2分子と容易に反応して低次酸化物([(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-X)]、X=SSO、SSO_2、OSSO)を与える。また過酸化物との反応によりO_2SSO_2錯体(X=O_2SSO_2)を生成することを見いだした。SSO、SSO_2、OSSO錯体は各々空気中で安定で、O_2と反応しない。つまりSSO_2およびOSSO錯体は、SSO錯体とO_2との反応で、直接生成したものではないことを明らかにした。またSSO_2、OSSO錯体間の異性化反応を起こさないことも見いだした。一方、OSSO錯体にはcis、transの異性体があること、cis体からtrans体への異性化のみが進行し、逆の異性化は起こらないことを明らかにした。O_2SSO_2錯体は空気中で酸素と反応し、中間体を介して室温でSO_3錯体に、また低温では主生成物にSO_4錯体を、副生成物にSO_3錯体を生成することを見いだした。さらに本研究で、X線結晶構造解析によりtrans-OSSO錯体と最終生成物のひとつである[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μーSO_3)]の構造を明らかにした。 一方、架橋チオール配位子を持つ錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-SH)]^+がジメチルアセチレンジカルボキシレートとの反応で、Michael型付加反応生成物[(RhCp^*)_2(μーCH_2)_2(μーSCCOOMe=CHCOOMe)]^+を与えることを見いだした。この錯体はさらにジメチルアセチレンジカルボキシレートと反応し、ブタジエン錯体[(RhCp^*)_2(μーCH_2)_2(η^2 : η-μ-CH_2=CCOOMeCCOOMe=CH_2)(μーSCCOOMe=CHCOOMe)]^+に変換される。二つのμ-CH_2基と一分子のジメチルアセチレンジカルボキシレートとの間のCーC結合形成によるブタジエン錯体の生成機構も合わせて明らかにした。
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