Project/Area Number |
11122220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
西谷 龍介 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50167566)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | STM / トンネル発光 / 磁気光学効果 / 局所磁性 / ナノスケール / 局所物性 / 微粒子 / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本研究では、STM探針先端の極微小領域における磁気光学効果の測定を行い、磁性薄膜の局所磁気特性測定に応用すること、また発光と相補的な現象であるSTM探針先端局所領域の紫外光電子放出測定に関する研究を行った。トンネル発光の磁気光学特性の測定は、トンネル発行の円偏光度とSTM像の同時測定により行った。試料はCoおよびNiの電子ビーム蒸発により作成した。光電子放出の測定は、励起光源としてArイオン共鳴線(11.8eV)を用い、光電子電流はSTM探針を用いて測定した。STM探針に流入する光電子のエネルギーはSTM探針の電位(STMバイアス)により制御した。また流入する光電子の測定流域を極微小域に制限するたるに、STM探針の先端以外を絶縁体でコーティングして探針を用いた。 (a)トンネル発光の円偏光度分布測定.Ni薄膜に対するトンネル発光の円偏光度依存測定を行った。左右の円偏光の発光強度分布を2台の検出器で測定した。2台の検出器で測定した異なる偏光の強度分布は、両方とも全体としてSTMで得られたトポグラフィー像と類似したものが測定されている。円偏光度分布を解析した結果部分的に偏光度の異なる領域が観測された。以上により、STMトンネル発光における円2色性の測定が可能となった。 (b)局所光電子放出分布測定.Ni薄膜において、紫外光を照射した時と照射しない時のSTM像を比較することにより光電子放出に起因した像を観測することができた。50pA程度の光電子電流は表面垂直方向に15nm程度まで分布し、表面平行方向には20nm程度の距離で大きく変化している。また、検出電流の探針-試料間距離依存性の結果より、探針方向の検出電流変化は検出部分の立体角変化により説明できることが分かった。以上の結果は、本実験において水平及び垂直両方向において20nm程度の局所領域光電子を検出できていると言える。
|