金属結合性および共有結合性アモルファス物質の超高圧下での安定性と結晶への相変態
Project/Area Number |
11123206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 正 東京大学, 物性研究所, 助手 (20218457)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アモルファス / 超高圧 / 相安定性 / 相変態 / 準結晶 / ダイアモンドアンビルセル / その場X線回析測定 / 放射光 |
Research Abstract |
本研究経費の全交付期間中における主な研究成果は以下のとおりである. 1.内部欠陥の少ない良質準結晶及び近似結晶は70ギガパスカルまでの超高圧下まで安定であることが明らかとなった.アルミニウム-リチウム-銅系の準結晶や近似結晶でのみ報告された圧力誘起によるアモルファス相への変態は,リチウムの著しい欠損によってアモルファス相よりも密度が低下したためと考えられる.すなわち,密度が低い準結晶は高圧下で不安定となり安定な稠密結晶相へ変態するはずだが,"室温高圧"下では長距離拡散ができす,準安定的にアモルファス相へ変態したと解釈される.また,二次元準結晶と三次元準結晶の圧縮挙動は等方的であることが明らかとなった.高圧力誘起の準結晶内の歪みはフェイゾン歪みよりもフォノン歪みが支配的であることが明らかとなった. 2.メカニカル・アロイングによって作成されたアモルファスセレンは,ヘリウム圧力媒体を用いた静水圧下では,約10ギガパスカルで六方晶と中間相の二相の結晶相へ圧力誘起相変態することが明らかとなった.さらに,約17ギガパスカルで中間相は単斜晶へ相変態することが明らかとなった.この結晶化の過程及び圧力は,結晶セレンや蒸着膜アモルファスセレンでの従来の報告とは異なり,常圧での非晶質相の局所構造が圧力誘起結晶化後の高圧結晶相の安定性にも影響を及ぼすことを示唆している. 3.炭素一硼素一窒素系アモルファス物質及び多硼化物結晶の70ギガパスカルまでの超高圧下における安定性や圧縮挙動を明らかにした. 4.ダイアモンドアンビルセルとYAGレーザー加熱を組み合わせた"高温超高圧"下での相安定性に関する研究が本研究の次のステップとして重要となる.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)