Project/Area Number |
11123210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大塚 信雄 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (80111649)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | LT-GaAs / 過剰As点欠陥 / 化学量論的組成 / carrier濃度 / 励起子 |
Research Abstract |
この特定研究では、超高速光スイッチヘのMBE低温成長層の応用を目指して、低温成長でフラックスを極力制御して化学量論的組成に近いLT-GaAs層を成長して、その電気的特性および光学的特性を調べた。SiあるいはBe不純物を注入したLT-GaAs層の電気的特性の測定から以下のような結果と、その意味するところが得られた。 (1)同一のフラックス条件下で、donor不純物であるSiあるいはacceptor不純物であるBeを注入すると、注入不純物の増加につれてtrapサイトとなる過剰As点欠陥の濃度が増加する。この結果は、成長層が化学量論的組成に近く、その結果伝導電子や正孔が存在しえるために、それらを過剰As点欠陥で捕獲し、Fermi準位をmidgapに近付けることにより系の自由エネルギーを低下させようとする基本的な傾向によって説明できる。 (2)一定の不純物注入濃度のもとで、trapされたcarrier濃度、言い替えればcarrierをトラップする過剰As点欠陥の濃度は、As/Gaフラックス比の1からのズレに比例して増加している。この比例関係は、先に我々によって提案された過剰As導入機構のLangmuir吸着モデルから期待される結果である。 上述の電気的特性についての実験結果を踏まえ、化学量論的組成に極めて近いLT-GaAs層およびそのAlAs/GaAsMQw構造を成長し、量子閉じ込め効果による励起子が観測されるかどうかphotoluminescence(PL)分光実験で調べた。その結果、通常の条件、すなわち高温で成長したものにくらべ強度は幾分弱いが、量子閉じ込め効果による励起子ピークが、液体ヘリウム温度、さらには室温で初めて観察された。
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