Project/Area Number |
11123213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 信夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40126876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 宇一郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00072679)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | HAADF-STEM / 非晶質半導体 / 原子直視観察 / ゲルマニウム / 金クラスター / 低温結晶化 |
Research Abstract |
非晶質シリコン(a-Si)をAl薄膜上に蒸着して作られる太陽電池では通常の結晶化温度より低い温度でa-Siが結晶化し、デバイスの特性を破壊することが報告されている。このようにAl、Ag、Auなどのfcc金属はa-Geやa-Siの結晶化温度を著しく低下させ、この現象は『金属に媒介された結晶化』と呼ばれている。平成11年度は、大角度検出暗視野走査透過電子顕微鏡法(HAADF-STEM)を用いて、各温度で熱処理した試料を原子分解能で観察した。この方法は、構成元素の原子番号の差が像のコントラストとして現れるため(Z-コントラスト)、新しい電顕法として注目されている^<1)>。Au/a-Ge/MgO試料のas-grown試料と350Cで熱処理後の試料を観察した結果、as-grown試料では、金のクラスターは丸い粒子として観察され、a-Geは背景の不明瞭な一様なコントラストを示した。このコントラストはGeがまだ非晶質であることを示す。一方350Cの熱処理後の試料では、背景のMgOの単結晶膜の上にAu_4GeとGeの2つの部分からなる"きのこ"状の微結晶が観察された。この粒子の高分解能STEM像からは粒子の中に組成のゆらぎが存在することが直読できた。以前のTEMの動的観察で、金のクラスターは75Cで溶け始め100C以上では液体状になってa-Geの表面を徘徊することが観察されたが、その過程の試料のHAADF-STEM観察にも成功した。75Cの試料では金の多結晶粒が観察されるが、これが100Cの試料ではAuとGeが反応して結晶のGeの粒が生成し、ヒトデ状の白いコントラストを示した。さらにこのヒトデ状の領域を高分解能観察すると未反応の金は小さいクラスターとなって吸着していることも判明した。このような知見は以前のTEM観察では明らかにできなかったことである。
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