放射線照射に伴う規則析出相の不安定化と微細組織制御の可能性
Project/Area Number |
11123230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松村 晶 九州大学, 工学研究科, 教授 (60150520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎山 謙一 九州大学, 工学研究科, 助手 (30243900)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 一次相転移 / 放射線照射 / 規則合金 / モンテカルロ法 / 相安定性 / 非平衡相転移 / 組織制御 |
Research Abstract |
本研究では、放射線照射に伴う合金の不規則化と析出粒子の溶解過程の速度論を理論ならびに実験の両面から検討を行っている。本年度は主に照射によって発生する不均質な構造の乱れが不規則化過程それ自身、あるいは照射後の再規則化過程に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、モンテカルロ法による計算機模擬実験を行った。以下に、得られた成果をまとめて記す。 (1)モデル系として周期境界条件をもつ80x80x80の格子点からなる面心立方構造を基本とするA3B合金を想定した。原子間には第4隣接まで相互作用が働いていると仮定し、初期状態はL12型の完全規則状態あるいは不規則状態とした。計算では簡単化のために、短い時間ユニット内で照射による局所的な不規則化と熱的な原子の位置交換を分けて取り扱った。まず半径Rの損傷領域がある決められた確立でランダムに形成され、その領域の中では原子配列が瞬間的に不規則化するものとし、その後に熱的な原子の位置交換をその時間ユニットにわたって進めた。このような計算を繰り返すことにより、原子配列の経時変化を調べた。 (2)照射に伴い不規則化が進行するが、その速度はRが大きい場合の方が速い。一方、照射後の再規則化もRの大きさに依存しており、構造の不均質性がこれらの過程に影響を及ぼすことがわかった。不規則状態からの熱的な規則化過程と比較すると、照射後の再規則化は著しく速く進行することが明らかとなった。これは照射後も部分的に規則度の高い領域が残っており、それを核として規則ドメインが容易に発達することができるためと考えられる。 (3)300keVNiイオンを照射してほぼ不規則化したNi_3Al合金は、蒸着によって均一な不規則状態としたものと比べてより低い温度から規則化が開始することが実験で明らかにされており、その違いの原因の1つとして構造の不均質性の違いが考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)