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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
B2型金属間化合物相は等原子比組成近傍で多くの2元合金に形成される。組成の化学量諭比からのずれ, または温度上昇に伴い点欠陥が形成されるが, その振舞いが材料特性そして原子拡散機構と密接に関連する事は良く知られている。前年度に引き続き, この点欠陥挙動に関して, in-situ高温中性子線回折法に基づく実験的ならびに熱統計法に基づく理論的研究を行った。 前年度のB2FeAl合金に対する中性子線・X線回折実験の結果, 昇温過程における点欠陥挙動に, (1)熱空孔のランダム配置(RVD), および(2)不正原子の正規siteへの戻り(ASAR), の傾向がある事を見出した。これはB2型合金の点欠陥構造に関する従来のモデルの枠組を外れた一見奇妙な現象である。この検証のため, 我々は再度のin situ高温中性子線回折実験を行った。その結果, RVD的挙動が化学量論組成近傍のFe過剰合金で起こる事, 更にAl過剰合金では不正Al原子濃度が昇温に伴い減少する事, 即ち不正Al原子の戻り現象を確認する事ができた。またこの戻りによってFe空孔濃度がAl空孔濃度より高くなり, 空孔のFe-site優先性が保証される。 以上の実験結果を, 昨年度展開したB2型合金の点欠陥形成機構に関するBragg-Williams法に基づく熱統計的モデルを用いて検討した。このモデルは, 基底状態における構造欠陥は反構造欠陥(ASD)であり, また昇温に伴う熱欠陥はRVD, ASARおよび複合欠陥(TRD)過程が混在したhybrid状態であるとの仮定を基本とする。計算結果は, 上記FeAl合金での実測を定性的にではあるが良く再現した。現在この熱統計の取扱いをhybrid状態についてのより一般化したモデルへと拡張する事を試みている。この成果は近々発表する予定である。
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