Project/Area Number |
11123240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
梶原 節夫 国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (70301728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 一行 金属材料技術研究所, 物性解析研究部, 主任研究官
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | マルテンサイト変態 / 核生成 / 高分解能電子顕微鏡 / 構造像 / 変態転位 |
Research Abstract |
鉄合金におけるfcc→bccまたはfcc→bctマルテンサイト変態の解明は、理論的にもまた工業材料への応用という見地からもきわめて重要である。本研究では、この変態における核生成段階を高分解能電子顕微鏡を用いて原子レベルで解明することを試みた。使用した合金は、断熱型マルテンサイト変態(fcc→bct)をするFe-9 Cr-1.1C合金(重量%)と等温マルテンサイト変態するFe-23Ni-3.8Mn合金(重量%)で前者では次のような結果が得られた。1)マルテンサイトの核は幅8nm厚さ2nmで長さは20nm以上ある飛行機の翼のような形をしている。その晶癖面は母相fccの{111}面(//{110}bct)で長手の方向は、〈110〉(//〈111〉bct)である。2)この核の原子配列はfccからbctへの変態途中の遷移構造をしているものが大部分である。後者のFe-Ni-Mn合金の場合は、独立したマルテンサイトの核と呼べるようなものは見いだされなかったが、マルテンサイトの成長端で変態転位と名付けてしかるべきものが観察された。この転位は〈110〉fcc(//〈111〉bcc)にそって形成されていて、{111}fcc(//{110}bcc)の面上を移動しているようである。その密度は数層に一本の割合でマルテンサイトの成長端に{111}fcc面上に並んでいる。さらに、その成長端は、入り江のようになっていてこれらの変態転位が割合独立に移動できることを示唆している。この点が、断熱型マルテンサイト変態する場合と大きな違いということができる。 これらのマルテンサイト生成初期についての原子レベルの観察は、マルテンサイトの核生成について極めて貴重な情報を与えるものであり、また、断熱変態型と等温変態との変態kineticsを考える上でのキーポイントとなるであろう。
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