パルス電子スピン共鳴法によるカーボンアロイのキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
11124202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 攻 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (30006332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤塚 守 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40282040)
生駒 忠明 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (10212804)
小野寺 真治 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (30006316)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | パルス電子スピン共鳴法 / 二次元EPR / 炭化度 / メソフェース炭素 / 芳香族炭化水素 / 水素EDNORシグナル / H / C比 |
Research Abstract |
本研究では、有機物の加熱による炭化過程をパルス電子スピン共鳴法(パルスEPR法)を用いて解明することを目的とした。2次元EPR法がピッチ系メソフェース炭素の研究に対する有効性を明かにするものである。該当年度においては以下のような結果を得た。 2次元EPR法は炭化度の高い炭素にも有効であることが示された。これはアルゴンヌ標準炭からさらにH/C比の低い石炭系ピッチや熱処理石炭系ピッチおよび化学処理石炭系ピッチ試料への測定の展開より明らかになったものであり、得られた結果を赤外分光測定の比較からも検討した。さらにヨウ素添加石炭ピッチの炭化過程の追跡を2次元EPR法を適用して行った結果、電荷移動型相互作用によって生成するイオンラジカルの反応性が重要な役割を果たすことが判明した。 硝酸処理した石炭ピッチにおいては緻密なメソフェースが得られる過程を2次元EPR法で追跡した。熱処理下でH-,C-によるピークの他にN-によるピークの観測に成功した。このN-原子は加熱処理によってピロール環などのヘテロアトム芳香族化合物としてグラファイト様多環芳香分子に含まれていることが類推された。 多重層カーボンナノチューブの内部を酸化することによりカルボン酸修飾を行なった。このカルボン酸にアミノ基を含むスピンプローブ剤を結合させ、EPRの線巾、EPR強度のマイクロ波依存性、および緩和時間を測定した。その結果、カーボンナノチューブの内部と外部の分子の運動性に差によるものと思われる現象が、パルス電子スピン共鳴の観測から示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)