層状金属カーボンアロイ表面上の炭素組織構造の物性と反応性に関する研究
Project/Area Number |
11124210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 賢一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60262143)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 層状金属カーボンアロイ / 炭素組織構造 / 走査トンネル顕微鏡 / 新規エッチング反応 / モリブデン炭化物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、金属ともセラミックスとも異なる物性と優れた触媒反応特性を示す層状金属カーボンアロイの一つであるモリブデン炭化物(Mo_2C)単結晶(0001)表面上で、表面炭素量とアニーリング温度を制御することにより新規炭素組織構造を生成させる条件を明らかにし、その生成過程と微細構造を超高真空走査トンネル顕微鏡(UHV-STM)を主に用いて決定することである。STMによる組織構造の電子状態の測定および吸着種の反応過程のその場観察技術を用いて、新しい物性と反応性の発現を念頭に置いた研究を展開してきた。 1.新規炭素組織構造の生成過程と微細構造の検討 Mo_2C(0001)表面のUHV-STM観察により、表面近傍の炭素量に依存してMo上の孤立炭素原子からなる(√<3>×√<3>)R30° -honeycomb構造、一次元的zigzag chainからなるc(2×4)構造、炭素含有クラスターなどの組織化された炭素表面構造が生成することを明らかにし、非常に特殊なトンネル条件を用いることで、これらの構造中の炭素原子一つ一つを浮き出させて高分解能観察することに初めて成功した。 2.組織構造に選択的な新規エッチング反応の発見 ごく最近、炭素組織構造で覆われたMo_2C(0001)表面を酸素ガスに露出すると、表面に強く結合している表面炭素原子が室温でもetchingされること、そのetchingのされ方に構造選択性があることを見いだした。表面炭素原子が酸素と反応して脱離し、高分解能STM観察することで下地の(1×1)Mo層の領域が観察された。しかもこの新規エッチング反応はzigzag chain構造で選択的に起こり、honeycomb構造は元のまま保たれることが明らかになった。これらの成果は層状金属カーボンアロイ表面上にできる炭素組織構造の特異な物性と反応性の理解に大きく寄与するものと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)