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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究では第一段階として熱CVD法により1000℃以下の低温で調製した炭素質薄膜の電子物性に着目し,調製条件等が及ぼす薄膜の生成過程、得られる薄膜の電子物性への影響等を検討した。その結果、ピロメリット酸二無水物を原料とした時450℃付近から薄膜の堆積が確認され,500℃では10^<-2>S/cmの電気伝導性を有する薄膜が堆積することを確認した。また,700℃を境にそれ以下の温度ではp型半導体の性質を有し,それ以上でn型半導体的性質を示すことを見出した。さらに炭素質薄膜は薄膜の成長速度が得られる電子物性に大きく影響し、これらを通して,電子物性制御の可能性を示唆した。 この結果をもとに第二段階として炭素質薄膜を新しい半導体として位置付け、シリコンとのアロイングにより電子デバイスの作成を試みた。その結果、n型シリコンと500℃前後で堆積させた炭素質薄膜との積層体が光電効果を示すことが見出され,太陽電池として機能することを示した。そして,炭素質薄膜の調製条件が与えるダイオード特性・太陽電池特性に及ぼす影響について検討した。その結果、本太陽電池は有機系としてはこれまでになく高い変換効率を示し(本研究中では7.0%)、さらに、セノレ構成を改良することにより、さらなる高効率化の可能性があることを示唆した。 今後本研究を基礎に、より実用性の高い太陽電池の開発を行うとともに、炭素を用いた新しい電子デバイス作成の可能性を追及していく。
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