歪み超格子構造によるピコ秒/サブナノ秒偏極電子ビームの生成
Project/Area Number |
11125102
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 彊 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40022735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 俊宏 大同特殊鋼株式会社, 技術開発研究所, 主任研究員
馬場 寿夫 NEC株式会社, 基礎研究所, 研究マネジャー
堀中 博道 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60137239)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | スピン / 偏極度 / 偏極電子源 / 2光子励起 / 超格子 / フォトカソード / レーザー励起 / 電子銃 |
Research Abstract |
我々の半導体光励起機構を用いるスピン偏極電子ビーム源はつぎの3つの物理的機構から成っている。(1)生成機構:GaAs系半導体の価電子帯電子の角運動量選択励起によりスピン偏極電子を生成する。(2)移行機構:この電子がスピン緩和を受けつつ半導体中を表面までドリフトする。(3)負の電子親和性(NEA)表面のポテンシャル障壁をトンネルした電子が電子銃の電界に導かれて偏極電子ビームが形成される。 今年度の成果の1つは、新たに名古屋大学で試作したGaAs-GaAsP超格子構造フォトカソードから85%を超える偏極度、0.4%の量子効率を有する偏極電子ビームが生成できることが確認されたことであり、この性能はさらに向上できる余地がある。 2つ目の成果は、イオン衝撃に対して破壊されやすく高い量子効率維持が難しい(3)のNEA表面を使う替わりに、安定なPEA表面を用いても偏極電子ビームを取り出すことが可能な「2光子励起型偏極電子源の着想」を得たことである。すでに、円偏光させた2光子(1064nm波長のレーザー光)でGaAs結晶を照射したときに生ずるフォトルミネッセンスの円偏光度(約26%)を確認し、この値より価電子帯から伝導帯へ励起された電子の偏極度が86%であることを確認できた。現在は、実用化を目指して、真空中へ引き出しビームの偏極度の測定実験を準備している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)