Project/Area Number |
11125201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
酒井 治 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60005957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊哉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教務職員
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 磁性半導体 / 強磁性 / トンネル効果 / 低濃度キャリヤー / 磁化 / 量子ドット / マグネテックポーラロン |
Research Abstract |
MnドープGaAsや希土類磁性半導体ではキャリヤー媒介による強磁性が発生する。キャリヤー媒介による磁性イオン間相互作用の標準模型としてRKKYモデルがある。しかし、導出にあたり、フェルミエネルギーが大きいとし、磁性イオンとキャリヤーの相互作用は摂動理論の最低次の近似で取り扱われている。半導体キャリヤーのフェルミエネルギーはむしろ小さい。局在スピンの強磁性クラスター等の形成により、キャリヤーは大きな摂動効果をうけ、その場所に局在する。これによる電子スピン分極の増加はさらに強磁性クラスターの安定性を強め、いわゆる磁気ポーラロンの形成が期待される。このような状態の重要性は以前から認識されていたが、磁性イオンの熱揺らぎと、それにともなう電子状態の変化を正しく取り入れた研究は従来行われていなかった。本研究では、与えられたスピン配位にたいし、電子状態は数値的に正しく対角し、これをもとにギブス因子を求め、古典モンテカルロ法により局在スピン系の状態を生成するという計算法を開発した。温度上昇にたいし、自発磁化は低温で一旦急激に減少し、その後緩やかに減少した後、キュリー温度で消失する。この様子は低濃度キャリヤー磁性半導体の磁化の振る舞いと合致することを示した。キャリヤーは単独の磁気ポーラロンや、それらの結合した磁気ポーラロン分子状態、むしろ強磁性ドメイン的な状態になることなどを絶えず繰り返していることが分った。 その他に、量子ドットにおけるトンネル効果の実験の解析を行い近藤効果の役割を明らかにした。
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