Project/Area Number |
11128101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 泉 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 助教授 (00217126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 章 新潟大学, 工学部, 助教授 (50151494)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 廃プラスチック / 高炉原料化 / 塩化ビニル樹脂 / ゼロエミッション |
Research Abstract |
本研究は、一般系廃プラスチックの高炉原料化プロセスにおけるゼロエミッション化の可能性およびその問題点を明らかにすることを最終目的とし、まず、一般系および産廃系廃プラスチックの高炉原料化リサイクルの現状調査を行った。その結果、産廃系廃プラスチックに関してはNKKの高炉原料化プラントが既に商業運転を開始しているが、一般系廃プラスチックの場合、約8%の塩化ビニル樹脂が含まれているため脱塩素処理が必要になり、これが一般系廃プラスチックの高炉原料化への大きな障壁になっていることを明らかにした。また、廃プラスチックを高炉に投入した場合のそのリサイクル率について調査し、鉄鉱石の還元剤として51%、発電用の燃料として25%、合計76%の他に例を見ない高リサイクル率であることを明らかにした。 現在、廃プラスチックの高炉原料化に関してはNKKを初め高炉メーカー5社が取り組んでいるが、一般系廃プラスチックに関しては未だ試験段階である。そこで、NKKの試験プラントを取材し得られた情報と、昨年度行った「一般系廃プラスチック油化プロセスの塩素フロー解析」のデータを用いて、高炉原料化プロセスの塩素に注目した物質フロー解析を行った。計算は、一般系廃プラスチック1,000kgについて行い、その中に塩化ビニル樹脂が8%、塩化ビニル樹脂中の塩素の含有率が50%とした。この物質フローの結果から、廃プラスチックに含まれる塩素の約80%が塩酸として回収され、残りの20%が高炉に投入されることを明らかにした。 高炉に投入される20%の塩素に関しては、鉄鉱石や鉄鉱石の焼結助剤に含まれている塩素量に比べると非常に微々たるものであり、これについては殆ど問題にならないと考えられる。しかしながら、塩酸に関しては製鉄所内での利用用途があるにしても、何れは過剰状態に陥ると予想される。また、塩酸の濃度が非常に低く商品価値がないため、この希薄塩酸のリサイクルが一般系廃プラスチック高炉原料化プロセスの問題点であることを明らかにした。
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