塩素化合物のゼロエミッション化を目指した廃プラスチックの脱塩素技術の評価と高度化
Project/Area Number |
11128208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥脇 昭嗣 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 美穂 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10292236)
吉岡 敏明 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30241532)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 脱塩化水素 / 廃プラスチック / フィードストックリサイクル / PVC |
Research Abstract |
PVCの脱塩化水素はいずれの温度でも初期において脱塩化水素は時間に対して0次的に進んだが、高脱塩化水素率になるに従い速度は徐々に低下した。反応初期における脱塩化水素率を0次で整理したときの見かけの活性化エネルギーは28kcal/molであった。脱塩化水素反応が速度を支配するため、それが実験条件に依存しないことを明快に示す結果である。しかし、300℃以上では、活性化エネルギーは5kcal/molであった。これは300℃以上においては試料への伝熱速度が反応を支配することを示唆する。0次で整理した脱塩化水素率より高い領域を新たに1次で整理し、得られた見かけの活性化エネルギーは300℃を境に大きく変化し、300℃以下は19.3kcal/mol,300℃以上は3.8kcal/molとなり、低脱塩化水素率領域と同様の傾向を示した。以上より、脱塩化水素率の高低によらず、300℃以上においては試料への伝熱速度が反応を支配していることが示唆された。 純水PVC粉末、260℃で21.8%および67.6%まで脱塩化水素した残留物のFT-IRスペクトルには、脱塩化水素の進行とともにポリエン構造が発達、C-H伸縮振動(2800〜3000cm^<-1>)およびC-H変角振動(1200〜1450cm^<-1>)など脂肪族による吸収強度が低下、その一方でC=C-H伸縮振動(3000〜3030cm^<-1>)、C=C伸縮振動(1600cm^<-1>)、架橋や環境によって形成される芳香環C-H伸縮振動(3000〜3030cm^<-1>)や芳香環C-H面外変角振動(750〜900cm^<-1>)による吸収が認められた。これは、脱塩化水素反応が進むほどPVCの構造に不飽和結合や芳香環が多く形成され、また、未反応の塩素は分散して存在することを示す。そのため、zipper機構で連続的に脱塩化水素する部位が減少し、脱塩化水素が進むほど速度が小さくなったと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)