産業における窒素の高効率循環とゼロエミッションのキーテクノロジー
Project/Area Number |
11128216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋鹿 研一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20016736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 康雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (50251666)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 窒素循環 / アンモニア合成 / NO発生 / NO選択還元 / アンモニア選択酸化 / アンモニア回収 |
Research Abstract |
日本の産業における窒素循環の実情を調べ、問題点を指摘した。さらにアンモニア吸着回収法について検討した。 産業界の窒素循環は、アンモニア生産を出発とするサイクルから成り立っている。 工業的に有用な基礎原料であるアンモニアの日本での生産量は、1998年度には166万5000トンであった。この内訳をみると合成アンモニアは161万8000トン、副生アンモニアは4万7000トンであった。1998年度のアンモニアの投入ベースでの構成比は、工業用が95%、肥料用が5%であった。工業用アンモニアの主要用途をみてみると、カプロラクタム・メラミン用などがあり、これらへのアンモニア投入量は工業用アンモニア消費量の約48%を占めている。この他に、外販用(主として、脱硝用)、尿素用、硝酸用、安水用、硝安用、塩安用、亜硝酸ソーダ用、重炭安用、硝酸ソーダ用、硫安用の順に工業アンモニアが投入され消費されている。 この循環系から明らかになった重要なことの1つは、日本では窒素肥料よりも含窒素工業製品がいかに多いかである。これらは繊維、プラスチック。建材等として使用されるが、定常状態を考えると、いずれ廃棄物等となる。もし、エネルギー回収を目的として(ごみ)燃焼した場合にはこの中のNは大半NOxになると考えられる。これら(ナイロン)繊維等の製品を燃焼した際「N」がどうなるかの研究が必要であろう。現在このNOxを除くためにはNH3によるSCR(選択還元)法しかなく、日本における効率の良い「その場」NH3生産が必要となる。 次に、この循環以外での日本の燃焼NOxを推算してみる。1995年の化石燃料消費量は原油換算で453×l0(6)t/年と言われる。これをCH2 1モル当たりに直すと32.4×l0(12)モルとなる。CH2 1モルの燃焼によりH20+C02+6N2(8モル)が生ずる。1400K燃焼での平衡値NO 160ppmが生ずるとすると8×160×10(-6)=1.28×10(-3)モル倍のNO換算となる。すなわち、4.1×10(10)モルNO/年、NH3換算すると700×10(3)t/年となる。現在この除去が1/3程度行われているとすると235×l0(3)t/年が脱硝用であると考えられ、外販アンモニアの量に対応する。NOxとして放出される分がいかに多いかがわかる。NOを完全に除去するためにはSCR法に必要なNH3の生産増加、更には中間体として利用可能なN化合物の形でいかに分解、回収する方法の研究が必要なことが分かった。 鉄鉱・石油化学プロセスより排出するアンモニアのうち、回収可能な濃度を有するものについては回収再利用し、回収効率が悪いものについては酸化分解(窒素ガスヘ)して無害化すべく研究を行ってきた。これまで当研究グループでは、後者のプロセスについて主に発表を重ねてきたが、本年度は前者のデータを主に得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)