東アジア諸地域から発生するエアロゾル中の炭素系物質の化学的キャラクタリゼーション
Project/Area Number |
11131208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高田 秀重 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70187970)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60318194)
森永 茂生 桐蔭横浜大学, 工学部, 講師 (10200437)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | エアロゾル / 分子指標 / 多環芳香族炭化水素 / 脂肪酸 / 石炭 / バイオマスバーニング |
Research Abstract |
今年度は脂肪酸の測定を集中的に行った。日本(横浜)、中国(北京)とマレーシア(クアラルンプール郊外)のエアロゾルからC_8-C_<34>脂肪酸が検出された。飽和脂肪酸は、何れの試料も偶数炭素が優位な分布を示し、C_<16>(パルミチン酸)及びC_<18>(ステアリン酸)が高い濃度であった。また、不飽和脂肪酸ではC_<18:1>(オレイン酸)とC_<18:2>(リノール酸)が優勢であった。この分布の特徴は、陸上植物の葉のワックス中の脂肪酸分布に類似しており、これらのエアロゾル中の脂肪酸のほとんどが高等植物から供給されていることを示している。マレーシア、中国、日本のエアロゾル中の脂肪酸の割合(%)の範囲は、各々0.35-3.28(1.26±0.68)、0.09-0.62(0.39±0.18)、0.13-0.86(0.33±0.18)であり、明らかにマレーシアの値が高いことがわかった。また、全脂肪酸中の高分子量脂肪酸(C_<20>-C_<30>)の割合(%)も、3.6-62.0(27.6±23.0)、3.4-22.9(8.3±5.6)、4.4-16.1(11.1±2.9)となり、マレーシアが明かに高い値であった。上記のようにマレーシアのエアロゾル中では他の2地域に比べて脂肪酸濃度が高いことが明らかになった。また、昨年度の研究からは中国の冬期のエアロゾル中では多環芳香族炭化水素類濃度が高いこと明らかになっている(熊田ら、2000)。そこで、脂肪酸濃度と多環芳香族炭化水素類濃度のダイアグラムを描いて考察を行った。その結果、(1)中国の冬期試料、(2)マレーシア試料、(3)中国夏期試料・日本試料の3つのクラスターに分類された。今年度の研究から、エアロゾル中の脂肪酸濃度、脂肪酸組成、および脂肪酸と多環芳香族炭化水素類の比率が3つの地域で発生するエアロゾルの区別に有効であることを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)