キャビティ・リングダウン法による大気微量成分の計測
Project/Area Number |
11131209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渋谷 一彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30126320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 和秀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40262258)
河合 明雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50262259)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 大気微量成分 / キャビティ・リングダウン / 計測 / OH / オゾン / レーザー |
Research Abstract |
本研究では、高感度なレーザー吸収分光法として脚光を浴びているキャビティー・リングダウン(CRD)吸収分光法をOH計測に応用し、その大気中の濃度測定に対する実用性を実験室系で検討した。まずLambert-Beer則を満たす事を確かめた。実験で得られたスペクトルの線幅は、入射レーザーの分解能とドップラー幅に起因する。実大気の測定ではそれに加えて、空気分子との衝突による圧力線幅が影響する。大気圧室温を仮定してシミュレーションした理論スペクトルの線幅はレーザーの分解能0.12cm^<-1>よりも明らかに大きいことが明らかとなり、Lambert-Beer則を満たすことが確認された。また、大気圧条件下で測定する場合、有効断面積はσ=1.7×10^<-16>cm^2と求まった。検出限界を0点レベルのふらつきの2倍と定義すると、大気圧条件下の測定における検出限界は1.5×10^9個cm^<-3>と求められた。次に実際の計測で予想される干渉について検討した。OHの分光計測においては、計測用レーザーにより誘起されるオゾンが関与する一連の反応によって、人為的なOH生成が問題となる(オゾン干渉)。本研究で採用したCRD法において、オゾン干渉効果が計測結果にどのような影響を及ぼすか計算した。その結果、OH濃度が時間とともに増加し、計測されるリングダウン波形は一次指数減衰曲線からずれを生じることが明らかとなった。通常の吸収法やLIF法においてオゾン干渉はOH濃度を高めに見積もるという影響を与える。CRD法での測定では、同様の効果に加え、測定精度が悪化するという影響が問題となるのである。また、反射率99.995%のミラーを用いキャビティー長は1mとした場合、地表付近において10nJ/pulse程度のパルスレーザーを用いた時、オゾン干渉が無視しうることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)