化学増幅法を利用した大気中ペルオキシラジカルの計測
Project/Area Number |
11131215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
坂東 博 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80124353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 規訓 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70236488)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ペルオキシ・ラジカル / 大気光化学 / 大気ラジカル計測 / 化学増幅法 / 二酸化窒素 / 蛍光検出法 / 夜間ラジカル源 / オゾン―オレフィン反応 |
Research Abstract |
本研究課題では吸引された試料大気に高濃度のCOとNOを添加し、一定条件下のHOx+NOx+CO連鎖反応サイクルで生成・蓄積するNO_2の量を測定することにより元の大気中のペルオキシラジカルの濃度を求める「化学増幅法」により大気光化学的に重要な役割を果たしているペルオキシラジカルの実測を行った。またNO_2 カップリング反応-蛍光検出を利用して大気中の共存物質の妨害を受けない選択的NO_2検出法の開発を行った。 前年度に引き続き従来から用いられているルミノール化学発光法を用いて実環境大気中のペルオキシラジカル測定を実施した。測定は、沖縄本島北端辺戸岬で集中観測(期間 : 99/7/23〜8/15)を行った。ペルオキシラジカル濃度は太陽光強度と良い相関を示す日変動パターンを示した。晴天時正午頃に観測される日最高濃度はやく90〜50pptであり、同時に測定を行なった大気微量成分との比較から、このペルオキシラジカル濃度はO_3-Nox-太陽光強度間で成り立つ光化学定常濃度でほぼ記述できることが明らかになった。また、日射のない夜間にもラジカルが有意に測定されたことから、植物起源の炭化水素としてよく知られるイソプレンとO_3の反応による夜間ラジカル生成が沖縄のような清浄大気中でも起きていることが示唆される結果となった。このようなオレフィン炭化水素とO_3の反応によるラジカル生成は、集中観測後の実験室におけるモデル実験でも確認し、その寄与率について検討中である。 新しい選択的NO_2検出法として前年度より開発を行ってきた3-aminonaphthalene-1,5-disulphonic acid(C-acid)を蛍光試薬とする蛍光検出法について、課題であったNO_2の蛍光試薬溶液への取り込み効率の向上を、気-液ジェット混合法を使ってNO_2気-液平衡化を行うことにより、ほぼ100%の吸収効率でNO_2を蛍光誘導体化する方法を確立した。今後は、本検出法との組合せによりペルオキシラジカル測定の精度向上が期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)