Project/Area Number |
11132224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169992)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 一分子 / 膜骨格 / CD44 / 光トラップ / トランスフェリン受容体 / 多価結合 |
Research Abstract |
生体分子認識の理解、特に、多価結合や多重結合の関与する認識/接着の理解のためには、受容体とリガンドなどの直接的な相互作用ばかりでなく、認識に関与する分子の集合状態とそれをサポートする膜骨格などの基質との相互作用が不可欠である。細胞膜の細胞質側表面には、膜骨格のネットワークが張りめぐらされている。細胞表面上の受容体は、このネットワークによって、運動、分布、局在を制御されている。受容体の働きの制御や、相手の細胞に対する接着力の発生のためには、受容体と膜骨格ネットワークとの相互作用が必須である。 本年度は、1分子レベルでの研究をさらに推進し、1分子レベルで直接に力をかけて、その応答を1分子レベルで調べる方法を応用し、また、膜上での拡散運動を1分子レベルで追跡する方法を応用して、細胞膜上の膜分子の運動、分布、局在の制御機構を調べた。そのために、リガンド、または、抗体を結合させた金コロイド粒子を作製し、これを、細胞外から膜タンパク質や脂質に結合させ、運動をしらべるとともに、光ピンセット(光トラップ)で牽引した。 光ピンセットで牽引した結果、85%のトランスフェリン受容体、60%のCD44は膜骨格には結合していないことがわかった。これらの分子は、膜骨格のフェンスを乗り越えながら牽引された。残りの分子(15%のトランスフェリン受容体、40%のCD44)は、膜骨格や他の膜裏打ち構造に結合していた。これらの分子を光ピンセットで牽引すると、すぐに細胞(膜骨格)からの力が働き始めた。さらに引っ張ると、これらの分子は光ピンセットからはずれ、もと居た場所まで、膜骨格によって引き戻された。
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