Project/Area Number |
11132229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八木 透 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90291096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時田 義人 愛知県コロニー発達障害研究所, 周生期部門, 研究員 (50291175)
児玉 哲司 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50262861)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 神経細胞培養 / バイオ素子 / 軸索誘導 |
Research Abstract |
神経回路を人工的に作る方法として、1)軸索伸長に関係する各種タンパク分子の濃度勾配を人工的に作る、2)生体組織に親和性の高い物質で基盤上にパターンを作る、3)電界をつくる、4)軸索が伸長しやすいような溝(ガイドウェイ)を培養ディッシュ底につくる、などが考えられる。これらのうち今回は3)に着目して、電界と軸索伸長について調べる。 まず、電極周辺にどのような電界が形成されるかについてコンピュータシミュレーションを行った。シミュレーションでは、正極と負極に1.5Vの電圧を加え、ポアソン方程式と有限要素法を用いて電界を計算している。なお電極周囲はリンガー液で満たされているものとした。図1は、電極周辺に形成される電界分布を色の濃淡で示したグラフで、左から正負電極間距離が100、200、300μmの場合を示している。同図の上段は電極を断面方向から眺めた場合の電界分布、下段は上方から眺めた場合の電界分布のうち長軸方向の半分の分布を表示している。容易に推測されるように、電極近傍で高い電界強度が観測されている。また正負極間の距離を変更すると電界分布が大きく変化することがわかる。また基盤内部に電界が形成されていることがわかるが、これはクロストークの原因になる可能性があり、さらには電極と神経組織との信号伝達効率を低下させる可能性があると考えられる。 次に、市販の多点電極ディッシュ(ガラス基盤上にフォトリソグラフィでITOを用いてパターン化し、ポリイミドでコーティングをしたもので、電極部分が金でめっきされている)の上に、成ラットの後根神経節から採取した神経細胞を培養し、任意の電極を正極と負極に選び、1.5Vの直流電圧を加えて形成した静電界において、神経細胞の軸索伸長を観察した。なお基盤上への神経細胞の接着を良くする目的で接着分子を塗布した(ポリリジン、コンカナバリン、コラーゲンの3種について実施)。負極に向けて神経突起の伸展が観察されるのではないかと予想したが、今回の実験条件ではそのような傾向は見られず、またコントロールとの比較においても特定方向への突起伸展は観察できなかった。今後は、電界条件を変更して突起伸長との関係を検討する。
|